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箒木
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はヽき
笑顏をまづ
見する
庭男に、
其まヽ
縋りて
箒木の
手を
動かせず、
吾助お
前は
畫がかけるかと
突然に
問ふ
可笑しさ。
組む
腕の
思案にも
能はず、
凋れかへる
甚之助が
人目に
遠慮なきを
浦やみて、
心空になれど
土を
掃く
身に
箒木の
面倒さ、
此身に
成りしも
誰れ
故かは、つれなき
令孃が
振舞其理由も
探ぐれず
僕は
吾助に
畫が
描けると
言ひしを、
姉樣はかけまじと
言ひたり、
負けては
口惜しければ
姉樣が
驚ろくほど
上手に、
後と
言はずに
今直に
畫きて
呉れよ、
掃除などは
爲ずとも
宜しとて
箒木を
奪へば