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筥
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ばこ
ふりがな文庫
“
筥
(
ばこ
)” の例文
ホントウにこの家の案内を知っているらしく、突当りの薬戸棚の
硝子
(
ガラス
)
戸を開いて、旧式の黒柿製の秘薬
筥
(
ばこ
)
を取出して調薬棚の上に置いた。
笑う唖女
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いつの間に整えておいたのか、お菊ちゃんは、自分の
箪笥
(
たんす
)
から、三人の
袷
(
あわせ
)
や帯や肌着などを、みだれ
筥
(
ばこ
)
へ入れて、自分で風呂場へ持って行った。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その隣は茶鋪、
蝦蟇口
(
がまぐち
)
製造業、ボール
筥
(
ばこ
)
製造業という家並で、そのあたりが私のいた医院のあとであった。
三筋町界隈
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「娘の手
筥
(
ばこ
)
に入つて居た、たしなみの短刀で、無銘乍ら良いものでした」
銭形平次捕物控:296 旅に病む女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
挟み
筥
(
ばこ
)
の下男と、城太郎とは、例によって、お供に
従
(
つ
)
いていたが、きょうの城太郎は、ゆうべの事実があるので、何となく、大蔵に対する気ぶりが違っていた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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愛子さんのお宅の郵便受
筥
(
ばこ
)
に入れて置きます。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ただ、
行燈
(
あんどん
)
の下に、下男の助市が、
挟
(
はさ
)
み
筥
(
ばこ
)
へよりかかって、孤影悄然と、よだれをたらして眠っていた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おりんは鳥籠をほうり出して、奥の
塗箪笥
(
ぬりだんす
)
から月江の帯や衣類を乱れ
筥
(
ばこ
)
にもいれずにかかえて来ました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「オオ、では……」と皆まで聞かずに、お千絵の恐怖は別なものにおどって、乱れ
筥
(
ばこ
)
の衣類をかけ、帯を結んで戸を開けなおした。そして、おずおずと竹縁に出ると
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
香染
(
こうぞめ
)
のおん
衣
(
ぞ
)
、おなじ色のみ
袈裟
(
けさ
)
、まき絵の袈裟
筥
(
ばこ
)
をそばにおかれ、寝殿中央に御座あって、まんまえの
廂
(
ひさし
)
の
玉座
(
おまし
)
に束帯低う“
御拝
(
ぎょはい
)
ノ礼”をとられた天皇のおすがたを
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし——
衣桁
(
いこう
)
にかかっているのは、常に彼の身につけている黒の衣服と一すじの白博多で、そのほかは、床の
幅
(
ふく
)
であり、乱れ
筥
(
ばこ
)
であり、これと言って変った品も目にとまりません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この稿の書出しにあたって、手紙
筥
(
ばこ
)
を掻き探してみたのだが、見つからないので、記憶に依ったわけである。ぼくは元来、信書は一切保存しない習慣だし、日記などもつけたことがない。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、すずり
筥
(
ばこ
)
の
蓋
(
ふた
)
をして、絵の
反古
(
ほご
)
がとばないように筥をのせておく。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして挟み
筥
(
ばこ
)
を
担
(
かつ
)
いでいる助市へ、先へ行けと手を振って見せる。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、書状
筥
(
ばこ
)
へ、手をのばした。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
料紙
(
りょうし
)
とすずり
筥
(
ばこ
)
をこれへ」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
筥
漢検1級
部首:⽵
13画
“筥”を含む語句
硯筥
筥崎
手筥
文筥
小筥
状筥
薬筥
筥崎丸
鏡筥
塗筥
爪筥
重筥
香筥
衣筥
印鑑筥
赤状筥
装束筥
袈裟筥
経筥
糸筥
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