“塗筥”の読み方と例文
読み方割合
ぬりばこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信長は、傍らの塗筥ぬりばこを小姓の手から授けた。特に、采配さいはいを賜わったのである。藤吉郎は初めて、信長から一個の将として許されたのであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はもちまえの東北武士らしい血をあらだたせて、さりげなく、預かって出た写経の塗筥ぬりばこを、手につかんで、つばをした。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平たい塗筥ぬりばこである。ゆるしをうけて、吉次は、そっと、ふたをとって見た。伽羅きゃらの香が、煙かのように、身をくるむ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)