策略さくりゃく)” の例文
それで皇后は、ちゃんとお策略さくりゃくをお立てになって、喪船もふねを一そうお仕立てになり、お小さな天皇をその中へお乗せになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
なるほど、自分はあのころ、虚言きょげん策略さくりゃく、暴力、偽善ぎぜん、そのほかありとあらゆる卑劣ひれつな手段を毎日もてあそんでいた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ははあ、これは、いつかおれがてきこまらしてやった策略さくりゃくをそのまま、おれにてはめようとするのだな。ばかなやつらめ。」と、まわってあるきました。
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分の娘にだって、君の馬鹿を証明するような策略さくりゃくを、始めから吹聴ふいちょうするほど無慈悲むじひな男じゃない。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
初めからひそかに咲耶子さくやこすくいだす策略さくりゃくで来たのであるが、とちゅう、馬糧小屋まぐさごやにふしぎなけむりがもれていたため、その疑惑ぎわくにひまどって、ついに、こういう破目はめになったのは
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雷の神がうまく策略さくりゃくにのったので、禿鷹はしめたと思って微笑ほほえみました。
コーカサスの禿鷹 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
こう大将たいしょうは、とても正当せいとうちからではおつ軍勢ぐんぜいふせぐことができない、そうして降参こうさんしなければならないとおもいましたから、これはなにか策略さくりゃくめぐらして、おつ兵隊へいたい
酒倉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
慰み半分に手をって笑う策略さくりゃくのように思われた。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『われわれの眼を偽瞞ぎまんする大石の策略さくりゃくだろう』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うむ……でも、俺には策略さくりゃくがないんだ。」
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
「ほう、ではかれの策略さくりゃくなので」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)