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そらとぼ
ふりがな文庫
“
空惚
(
そらとぼ
)” の例文
それともわざと
空惚
(
そらとぼ
)
けてそんな嫌がらしいうのんか、「あんたも男らしいもない、済んでしもた事そないくどくどいわいでもええ」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『はゝゝゝゝ。
何
(
なに
)
を
目撃
(
もくげき
)
しましたか。はゝゝゝゝ。』と
彼
(
かれ
)
は
空惚
(
そらとぼ
)
けて
大聲
(
おほごえ
)
に
笑
(
わら
)
つた。
私
(
わたくし
)
は
實
(
じつ
)
に
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
から
煑返
(
にへかへ
)
つたよ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
自分は「この間の問題とは何ですか」と
空惚
(
そらとぼ
)
けたかった。けれどもそんな勇気はこの際出る余裕がなかったから、まず体裁の好い
挨拶
(
あいさつ
)
だけをしておいた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さて、その事を話し出すと、それ、案の定、
天井睨
(
てんじょうにら
)
みの
上睡
(
うわねむ
)
りで、ト先ず
空惚
(
そらとぼ
)
けて、
漸
(
やっ
)
と気が付いた
顔色
(
がんしょく
)
で
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母は何か
空惚
(
そらとぼ
)
けたような様子をした。「そうかい。そんな事があの人達にどうして知れたんだろうね。」
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
ええ、
未
(
ま
)
だ
空惚
(
そらとぼ
)
けおるか。おぬしは拙者の腰の
印籠
(
いんろう
)
を盗みおった。勿論油断して岩を枕に
午睡
(
ひるね
)
したのがこちらの不覚。併し懐中無一文の武者修業、
行先々
(
ゆくさきざき
)
の道場荒し。
怪異黒姫おろし
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
甘
(
うま
)
く仰しやる、内々心当りがあるくせに
空惚
(
そらとぼ
)
けてゐる子。はツはツ、大分
勃然
(
むき
)
になつて顔を赤くするナ。そんなら俺が気に入つて嬢様に
周旋
(
とりも
)
たうといふ資格を話して聞かせやうか。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「あんたこの頃、またあの人とより戻ったんやろ、
空惚
(
そらとぼ
)
けててもちゃんと分ってる。」「ふん、そんな事ちょっとも惚けてエへん」と
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分は兄に対して、つい
空惚
(
そらとぼ
)
けた
挨拶
(
あいさつ
)
をしなければすまなくなった。すると母が今度は
苦
(
にが
)
い顔をした。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ははあ、あるいは煮、あるいは焼いたやつを。」と、わざと
空惚
(
そらとぼ
)
けた事を云う。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吾輩は
空惚
(
そらとぼ
)
けて
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
光子さんはわざと
空惚
(
そらとぼ
)
けて、その場アそいで済ましてしもてから、「今日友達にこないこないいわれてんけど、ほんまやろか?」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
が、それが
若
(
も
)
しも狐だとすれば、私がうしろから歩いて行くのをよもや知らない筈はなかろう。知っている癖にわざと
空惚
(
そらとぼ
)
けているのだろう。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この人達は事情を知りつつ
空惚
(
そらとぼ
)
けて探りを入れているのではないかと云う警戒心から、いつも当らず触らずの答をしていたのであったが、それと云うのは
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
小憎らしいほど
空惚
(
そらとぼ
)
けたり、例の鋭い上眼を使って、まるで
狙
(
ねら
)
いをつけるように一直線に私を見据える。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
だが、塚本は、
空惚
(
そらとぼ
)
けてゐる訳ではなくて、日頃の商売の忙しさに取り紛れてしまつたのであらうか。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
だが、塚本は、
空惚
(
そらとぼ
)
けてゐる訳ではなくて、日頃の商売の忙しさに取り紛れてしまつたのであらうか。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
だが、塚本は、
空惚
(
そらとぼ
)
けている訳ではなくて、日頃の商売の忙しさに取り紛れてしまったのであろうか。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
思わず
嘲
(
あざけ
)
るような
瞳
(
ひとみ
)
を挙げて、二階を仰ぎ
視
(
み
)
ると、
寧
(
むし
)
ろ
空惚
(
そらとぼ
)
けて別人を装うものの如く、女はにこりともせずに私の姿を
眺
(
なが
)
めて居たが、別人を装うても
訝
(
あや
)
しまれぬくらい
秘密
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私が
咄嗟
(
とっさ
)
の返辞に困って、「日記なんか附けていない」と答えると、「分ったよ」と云って変な笑い方をしたのは、「
空惚
(
そらとぼ
)
けるのは止せ」という意味だったのであろうか。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、妙子は
空惚
(
そらとぼ
)
けようとしても空惚けきれないで、ニヤニヤしながら云った。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「阿呆らしい、人が見てたらあないに
空惚
(
そらとぼ
)
けまんねんが。」
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「阿呆らしい、人が見てたらあないに
空惚
(
そらとぼ
)
けまんねんが。」
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
とうとう来たな! 私はそう思って
空惚
(
そらとぼ
)
けながら
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、庄造はちよつと
空惚
(
そらとぼ
)
けた。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、庄造はちょっと
空惚
(
そらとぼ
)
けた。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
空惚
(
そらとぼ
)
けているのらしかった。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
惚
漢検準1級
部首:⼼
11画
“空惚”で始まる語句
空惚呆