禁錮きんこ)” の例文
仔細しさいに観察すると、こいつ禁錮きんこするほどのことはのうても、説諭位はして差支えないことを遣っとるから、つかみ出して警察であばかすわい。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これ実に安政三年七月、吉田松陰があたかもその禁錮きんこ中において特許を得、松下村塾を興したる同年同月にてありしなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それから競技者プレーヤーことごとく、王樣わうさま女王樣ぢよわうさまあいちやんとをのぞいては、禁錮きんこなかれられ、死刑しけい宣告せんこくつばかりでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
でも、あの人は吉田松陰よしだしょういんの事件で、九年も禁錮きんこの身だったというじゃありませんか。戸をでずして天下を知るですか。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
また他の或る日本人は或る工事を請負って職工を捜すため浦塩哈爾賓間を数度往復したので三カ月の禁錮きんこに処された。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
異国人と、遊女と、奉行所の監札を持った者のほかそこへ行くことの許されぬ禁錮きんこの島へ孫四郎の行くわけはない。
それから野良の元兇は農舎へ引摺ひきずって行ってつないで置き、さて全く改心の見込無きものとして断然死刑に処してしまうか、或いは相当期間禁錮きんこして
監獄の中にはもう九か月というもの、第二級徒刑囚ロジオン・ラスコーリニコフが禁錮きんこされていた。彼の犯行の日から、ほとんど一年半の歳月が流れた。
そして、犯人等に自らアピア迄出頭するように命じた。犯人達は男らしく自らアピアへ出て来た。彼等は六ヶ月禁錮きんこの宣告を受け、直ぐろうつながれることになった。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
死人の口に在る肉片と其の手の傷と同じ者で有った上幾多の似寄った証拠が有った為言い開きは立たず、死刑とは極ったが唯丁年ていねん未満で有った為一等を減じて終身の禁錮きんこになり
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
六カ月以上七カ年以下の懲役または禁錮きんこに処罰するのが相当だが、裁判所もこれまで充分に社会的制裁を加えられたものに対し、この上法律上の制裁まで加えまいと思うと述べた。
芳川鎌子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ホーベスはふたたび、戸だなのなかに禁錮きんこされた。モコウは昼すぎに二、三品、食物を運んでやったが、かれはほとんど一口もふれず、ただ頭をたれてなにごとか深く沈吟ちんぎん思考している。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
あたかも彼らは禁錮きんこ刑囚のように、監房の板壁をながめた。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
女王樣ぢよわうさま宣告せんこくせられた人々ひと/″\は、數多あまた兵士へいしつて禁錮きんこなかれられました、兵士へいし勿論もちろんこれをすためには緑門アーチ形造かたちづくつてることをめねばなりませんでした
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
三日を出ないうちに、これも職を奪われ、家に禁錮きんこを命ぜられた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)