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禁呪
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まじなひ
ふりがな文庫
“
禁呪
(
まじなひ
)” の例文
「變なものがありますよ、——お勝手口に立てかけてあつたんですが、
古箒
(
ふるぼうき
)
に
衣紋竹
(
えもんだけ
)
を結へて、單衣を着せたのは、何んの
禁呪
(
まじなひ
)
でせう」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此處
(
こゝ
)
がその、
甚
(
ひど
)
く
仲
(
なか
)
の
町
(
ちやう
)
式
(
しき
)
で
面白
(
おもしろ
)
いのは、
女房
(
かみさん
)
が、「
何
(
なに
)
かのお
禁呪
(
まじなひ
)
になるんだらう。」と
言
(
い
)
つた。
因
(
そこ
)
で、その
娘
(
むすめ
)
が、
恭
(
うや/\
)
しくお
盆
(
ぼん
)
に
載
(
の
)
せて、その
釜敷
(
かましき
)
を
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
る。
廓そだち
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「本人は
山伏
(
やまぶし
)
崩れだと言つてはゐますがね。野伏せり見たいな野郎で、八
卦
(
け
)
も
祈祷
(
きたう
)
も
禁呪
(
まじなひ
)
も心得てゐる上に
法螺
(
ほら
)
と武術の達人で」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「輪飾りを引つくり返したり、障子を裏返しにすると、何かの
禁呪
(
まじなひ
)
になるでせうか。今年は流行
病
(
やまひ
)
があり相だからとか何とか」
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何でも無いよ、——身に覺えの無い者は、あれを見ても何とも思はないが、脛に傷持つ奴は、あわてゝ飛んで來る
禁呪
(
まじなひ
)
が書いてあるのさ」
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「呆れたもんだ——家は借家でも、火の車には惱まされ續けでせう。こいつも火伏せの
禁呪
(
まじなひ
)
でどうかなりやしませんか」
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「一方から評判の良い割に、
因業
(
いんごふ
)
爺い扱ひをされるのはその爲で、塀外に澤庵石をブラ下げたのだつて、何んの
禁呪
(
まじなひ
)
かわかつたものぢやありません」
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何んにも書いてありませんよ、白い紙の天地紅を、結び文にしたのは何んの
禁呪
(
まじなひ
)
でせう、
疱瘡除
(
はうさうよ
)
けのお
護符
(
まもり
)
かな」
銭形平次捕物控:286 美男番附
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「手前氣が弱くてそんなつまらねえ事を考へるんだ。待ちな、俺が結構な
禁呪
(
まじなひ
)
を教へてやる。今晩あの平太夫の前で、あの娘を
嫁
(
よめ
)
にくれと言つてみるんだ」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
武士の魂たる兩刀を、脅迫觀念の
禁呪
(
まじなひ
)
のせゐにしてしまつたのは、まさに八五郎の新哲學だつたのです。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
既
(
すで
)
に
歐羅巴
(
ヨーロツパ
)
の——あの古い歴史を持つた國では、寶探しを專門の仕事にし、
禁呪
(
まじなひ
)
と
占
(
うらな
)
ひと、
鶴嘴
(
つるはし
)
を道具にして、一生を打ち込んだ人も少なくないと言はれて居ります。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の常識と、長い間の經驗から見ると、地下埋藏金といふものは、實際あるかも知れませんが、
祈祷
(
きたう
)
や
禁呪
(
まじなひ
)
でそれが發見されるなどといふことは、考へられないことです。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「隣の空家の二階ですよ。店中の者が飛んで行つたが、曲者は待つては居ません。窓のところに、何の
禁呪
(
まじなひ
)
か知らないが、赤い手柄ほどの布が、ヒラヒラと下がつて居たさうで」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
間拔
(
まぬ
)
けだなア、三百六十五日、皆んな親の命日だと思へ、腹の立たない
禁呪
(
まじなひ
)
になるぜ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「靜かにしろ、そいつは皆んな借金取除けの
禁呪
(
まじなひ
)
なんだ、——今日を何時だと思ふ」
銭形平次捕物控:162 娘と二千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「尤もお前の髷節は俺が見ても氣になつてならねえよ。
自棄
(
やけ
)
にさう左に曲げるのは、何んの
禁呪
(
まじなひ
)
なんだ。——思ひきつてそいつを切つてしまつたら、飛んだ清々することだらう——と」
銭形平次捕物控:187 二人娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何時かは死ななければならぬ事を思ひ及んで、一番生き葬ひを出して、自分の人氣と威勢のほども見せ一つは百まで生きる
禁呪
(
まじなひ
)
にしてやらうと言つた、他愛もない事を考へる人柄でした。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女の
扱帶
(
しごき
)
を卷いて居たが、今見ると無くなつて居るやうだ、首を縊つたのはその扱帶ぢやなくて、丈夫な細引だ、細引の上から、艶めかしい
縮緬
(
ちりめん
)
の扱帶を卷いて居たのは、何んの
禁呪
(
まじなひ
)
かな
銭形平次捕物控:284 白梅の精
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お靜は自分の
袢纒
(
はんてん
)
を持つて、横町のお藏まで飛んで行つたよ。歸りに五匁玉一つと、一升ブラ下げて來る寸法さ。虫押への
禁呪
(
まじなひ
)
は外にあるわけはねえ。日の暮れる
前
(
めえ
)
に始めようぜ、八」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
占
(
うらな
)
ひ、
禁呪
(
まじなひ
)
、
呪文
(
じゆもん
)
、そんなものの外に、或種の魔法の杖を持つて歩き、それが倒れた方角と角度と、
顫動
(
せんどう
)
とで、地下の埋藏金を見出す方法をさへ、一般に信じられた時代があつたのでした。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「胸のすく
禁呪
(
まじなひ
)
なんか知らないよ。尤も腹の減ることならうんと知つてるぜ。幸ひお天氣が良いから疊を干さうと思つてゐるんだ。氣取つてなんかゐずに、尻でも端折つて手傳つて行くがいゝ」
銭形平次捕物控:127 彌惣の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へエ、梅を眺めたつて腹のくちくなる
禁呪
(
まじなひ
)
にはなりませんよ、親分」
銭形平次捕物控:284 白梅の精
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「十八九の美しい新造が、この
禁呪
(
まじなひ
)
のお狐を買つて行かなかつたかえ」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「じよ、冗談でせう。八卦や
禁呪
(
まじなひ
)
でそんな事が手輕に判るわけはねえ」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「解つたか、八。あの女は馬鹿か豪傑か、でなければ腹の中に容易でない
屈託
(
くつたく
)
があるんだ。それも並大抵のことではない、女が願事が叶ふといふ
禁呪
(
まじなひ
)
のおコンコン樣を捨てゝ行くのは容易ぢやない」
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蟲齒の
禁呪
(
まじなひ
)
なら、水の流れを見詰めて、ヂツとして居る筈はないし、こいつはてつきり、橋の上に人の
疎
(
まば
)
らになつたところを見定めて、ドブンとやらかすに違げえねえと、肩に手を置いて、お孃さん
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ところで、玄關の上にブラ下げた
瓢箪
(
へうたん
)
はありア何んの
禁呪
(
まじなひ
)
です」
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「虫齒の
禁呪
(
まじなひ
)
か何んかだらう、お前この間頬を脹らしてゐたぜ」
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「祈祷の合間を
狙
(
ねら
)
つて、あつしも少し
禁呪
(
まじなひ
)
をきかせましたがね」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「赤い振袖を左前に着て舌を噛み切るのは、何の
禁呪
(
まじなひ
)
なんだ」
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「俺達が
長尻
(
ながつちり
)
なんで、下女が立てた
禁呪
(
まじなひ
)
ぢやないか」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「栗飯の受取なんざ、
禁呪
(
まじなひ
)
にもなるめえ」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「成程さう言へばその通りだが、——近頃なんか、そんな
禁呪
(
まじなひ
)
が
流行
(
はや
)
るのかも知れないよ。歸りにそれとはなしに、どんな人間が住んでゐる家か訊いて見るが宜い。如才もあるまいが、その家へ飛込んで訊いちや打ちこはしだよ」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「晝行燈はなんの
禁呪
(
まじなひ
)
と解つたんだ」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この襟卷に
禁呪
(
まじなひ
)
があるんですよ」
銭形平次捕物控:126 辻斬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それや何んの
禁呪
(
まじなひ
)
です。親分」
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それはどんな
禁呪
(
まじなひ
)
です、親分」
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そいつは何んのお
禁呪
(
まじなひ
)
だ」
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「でなきや、
火傷
(
やけど
)
の
禁呪
(
まじなひ
)
」
銭形平次捕物控:169 櫛の文字
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは何んの
禁呪
(
まじなひ
)
だ」
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「妙な
禁呪
(
まじなひ
)
だな」
銭形平次捕物控:281 用心棒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“禁呪”の意味
《名詞》
禁呪(きんじゅ)
呪(まじな)い。
(出典:Wiktionary)
禁
常用漢字
小5
部首:⽰
13画
呪
常用漢字
中学
部首:⼝
8画
“禁呪”で始まる語句
禁呪厭勝