祭礼さいれい)” の例文
旧字:祭禮
村民をあつめて文珠菩薩の祭礼さいれいおこなひ、あはせて此一行をも招待せうたいすべし、而して漸次道路を開通がいつうここたつし、世人をして参詣さんけいするを得せしめんと
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
次第しだいとほさとへ、祭礼さいれいさそはれるやうながして、すこしうと/\として、二本松にほんまついては、其処そこ並木なみきを、飛脚ひきやくかよつてさうな夢心地ゆめごゝちつた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やがて町の祭礼さいれいとなりますと、甚兵衛じんべえは一番にぎやかな広場に小屋こやがけをしまして、「世界一の人形使い、ひとりでおどるひょっとこ人形」という看板かんばんをだしました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
あしたは祭礼さいれいの日というので朝から家じゅうそうがかりで内外のりかたづけやらふるまいの用意にたてきってるさいに、びとを受けたのである。お政はほとんど胸中きょうちゅう転倒てんとうしている。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
町の祭礼さいれいがすみますと、さるは甚兵衛にむかって、みやこにでてみようではありませんかといいました。甚兵衛もそう思ってたところです。田舎いなかの小さな町では仕方しかたがありません。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)