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瞬
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しゆん
ふりがな文庫
“
瞬
(
しゆん
)” の例文
壇に吸ひ付けられた六百の眼は、暫らくは氷の如く凝つと靜まりましたが、次の一
瞬
(
しゆん
)
忽然としてそれが恐ろしい動搖に變つたのです。
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眩
(
まぶ
)
しいものが一
閃
(
せん
)
、
硝子
(
ガラス
)
を
透
(
とほ
)
して
私
(
わたし
)
の
眼
(
め
)
を
射
(
い
)
つた。そして一
瞬
(
しゆん
)
の
後
(
のち
)
、
小松
(
こまつ
)
の
枝
(
えだ
)
はもう
無
(
な
)
かつた。それは
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
に
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
く
斑點
(
はんてん
)
であつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
も
繼
(
つが
)
せんと思居たりしに其年五月大病にて
死亡
(
みまかり
)
しにぞ其力落しより間もなく妻も病死なし僅か一年の中に妻子に別れ夫より手代なども引負して掛先の
損
(
たふれ
)
多く斯程の身代も一
瞬
(
しゆん
)
の間に不手廻になり四郎右衞門も大病を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
伊勢屋新兵衞の顏には、一
瞬
(
しゆん
)
躊躇
(
ちうちよ
)
の色が浮びましたが、思ひ定めた樣子で
棺
(
くわん
)
の側に近づくと、暫く物も言はずに突つ立つて居りました。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頬冠りの男の辭色は、一
瞬
(
しゆん
)
激
(
はげ
)
しくなりましたが、ハツと氣のついた樣子で、元の靜かな絶望的にさへ見える態度に變ります。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
宵闇を
劈
(
つんざ
)
く若い女の聲は、
雜司
(
ざふし
)
ヶ
谷
(
や
)
の靜まり返つた空氣を、一
瞬
(
しゆん
)
、煑えこぼれるほど掻き立てました。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
娘を殺したのがお狩場の四郎だつたら、飛びかかつて、噛み殺しもし兼ねまじき、動物的な本能の怒りが、この老人を一
瞬
(
しゆん
)
此上もない
猛々
(
たけ/″\
)
しいものに見せるのです。
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この激しいが、一
瞬
(
しゆん
)
で片付いた爭ひが濟むと、障子の外には下男の猪之吉が、縁側の下にはお縫の義兄の門太郎が、
踞
(
うづく
)
まつて涙にひたつて居るのが見付かりました。
銭形平次捕物控:178 水垢離
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中はもう焦熱地獄、吐く息も焔になりさうで、新しい世界を見出した不思議な縁の父と娘が、
犇々
(
ひしひし
)
と相抱いたまゝ、
瞬
(
しゆん
)
一瞬と迫る、死の手を待つ外はなかつたのです。
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鎭
(
しづ
)
まり返つた隅田川の夜氣を亂して、船の中には、一
瞬
(
しゆん
)
氣違ひ染みた
旋風
(
せんぷう
)
が捲き起つたのです。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
品吉の表情は一
瞬
(
しゆん
)
激しく動きましたが、やがてもとの靜けさに還つて、かう言ひきるのでした。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ほの白い顏を
反
(
そむ
)
けて、かすかな表情の動き、——笑つたか、泣いたかわかりませんが、僅かに見せた心の隙間、一
瞬
(
しゆん
)
にして消え去つた媚態は、錢形平次をハツと立ち縮ませたのです。
銭形平次捕物控:230 艶妻伝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お比奈はパツと
裾
(
すそ
)
を蹴返すと、一
瞬
(
しゆん
)
、鬪志
沸々
(
ふつ/\
)
たる惡少年皆吉になつて居りました。
銭形平次捕物控:239 群盗
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その信者の一人なる浪人者
御厩
(
おうまや
)
左門次が同じく東海坊の門弟で、用人を兼ねてゐる定吉といふ白い道服の中年男と共に、群衆の整理、修法の進行等、一
瞬
(
しゆん
)
の隙もなく眼を配つて居ります。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
廊下に溢れる人達は、一
瞬
(
しゆん
)
シーンとなりました。と、その後ろの方から
銭形平次捕物控:212 妹の扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
騷ぎは一
瞬
(
しゆん
)
のうちに、山名屋を煮えくり返らせました。
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この闇試合は
眞
(
しん
)
に一
瞬
(
しゆん
)
のうちに片附きました。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一
瞬
(
しゆん
)
、傳助の顏は
險
(
けは
)
しくなりました。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“瞬”の意味
《名詞》
(めまぜ、めまじ)目配せ。
(めまじろぎ)瞬き。
(出典:Wiktionary)
瞬
常用漢字
中学
部首:⽬
18画
“瞬”を含む語句
瞬間
一瞬
瞬時
目瞬
一瞬時
一瞬間
数瞬
屡瞬
電瞬
眼瞬
転瞬
瞬刻
瞬転
三十七年如一瞬
転瞬倏忽
瞬隙
瞬間瞬間
瞬間的
瞬間前
二三度瞬
...