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ほんもの
ふりがな文庫
“
眞物
(
ほんもの
)” の例文
新字:
真物
「ところで、あの二人の女の何方が
眞物
(
ほんもの
)
かわかれば、自然主人を毒害した下手人もわかるだらう、——お前は何方が
僞物
(
にせもの
)
だと思ふ?」
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一本も
眞物
(
ほんもの
)
と云ふものが含まれてなかつたのでせう? どうして悉くが贋物だつたのでせう? 運命でせうか? そして何故また君がそれを
奇病患者
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
眞物
(
ほんもの
)
ぞと呼びつゝ、人々拾ひ取りて勿體なき事かな、盜人などに取られ給はゞいかにし給ふといふ。われ。
貨物
(
しろもの
)
はそれ丈なり。
疾
(
と
)
く我命を取り給へ。生甲斐なき身なれば
毫
(
すこ
)
しも惜しとはおもはず。甲。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「親分——曲者は同じやうな
疊紙
(
たゝう
)
を用意して、お杉が出た後、僞繪圖面を神棚へ供へ、大急ぎでお勇の部屋から
眞物
(
ほんもの
)
を掻つ拂つたのだね」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
錢形の親分——砂利詰の千兩箱を積んだ私は、
眞物
(
ほんもの
)
の小判がない苦しさに、人前の見榮であんな事をすると思ふでせうが、飛んでもない。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
一つは石崎家、一つは和泉屋、それからもう一つは玉川
燕女
(
つばめ
)
が持つてゐたよ。三つのうち一つが
眞物
(
ほんもの
)
で、あとの二つは僞物だ。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
四人までがその
纎手
(
せんしゆ
)
に墨で短刀を描き添へられ、それ/″\の短刀に、赤黒い
眞物
(
ほんもの
)
の血糊がついてゐるとしたらどうでせう。
銭形平次捕物控:209 浮世絵の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分、この四本の
簪
(
かんざし
)
のうち、
平打
(
ひらうち
)
の二本だけは
眞物
(
ほんもの
)
の銀だが、あとの二本は
眞鍮臺
(
しんちうだい
)
に銀流しをかけた、飛んだ
贋物
(
いかもの
)
ですぜ」
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「今度は外から曲者が入つたのぢやない。何んの細工もないからお前でも判るだらう。お茂與の追善に一つ
眞物
(
ほんもの
)
の下手人を擧げて見ちやどうだ」
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
この中には、青銅の
香爐
(
かうろ
)
もあり、
蝋銀
(
らふぎん
)
の置物もあり、名作の
鍔
(
つば
)
や
目貫
(
めぬき
)
は言ふまでもなく、ひどいのになると、
眞物
(
ほんもの
)
の小判や小粒さへも交つて居る有樣。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其處の鐵砲型に組み上げた梁の上には、
眞物
(
ほんもの
)
の鐵砲が一梃縛つてあり、その鐵砲には
古簾
(
ふるすだれ
)
などを卷きつけて、巧みにカモフラージユしてあつたのです。
銭形平次捕物控:222 乗合舟
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手代の榮吉に渡し、榮吉から支配人に渡すやうに仕向けた。尤も
眞物
(
ほんもの
)
の遺言状を拔いて、用箪笥には寫しの
僞物
(
にせもの
)
を
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
親分の平次見たいな顏をして女の先に立つて行くのを、
眞物
(
ほんもの
)
の平次はほゝ笑ましい心持で眺めて居たのです。
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御腰物方から、貞宗はもう一度戻つた筈です。旦那の出やう一つでは、私はその中味を
眞物
(
ほんもの
)
と入れ換へて、何も彼も元の通りにして上げられると思ひます」
銭形平次捕物控:072 買つた遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「隱密の仕業なら藤兵衞から
眞物
(
ほんもの
)
の繪圖面を受取つた筈だ。ところが藤兵衞は外へも出ず、人にも逢はない」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤も後でお關の方が
眞物
(
ほんもの
)
だと解つたが、宇三郎にして見れば、お玉を擔ぎ出せば、本家横領の足掛りになる
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「斯う見ると、
眞物
(
ほんもの
)
と變りはないね、——
尤
(
もつと
)
も、こちとらは滅多に眞物に御目にかゝることもないが——」
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その通りだよ。だがな八、同じやうな疊紙を急に手に入れて、
眞物
(
ほんもの
)
と掏り換へるなんてことは、外の者には出來ないよ。藤兵衞なら前から用意して置ける筈だ」
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞物
(
ほんもの
)
と
紛
(
まが
)
ふばかりの素晴らしいできで、道八の手から諸方に賣り渡され、あらゆる鑑定者の眼まで
昏
(
くら
)
まして、今日では日本の寳のやうに持て
囃
(
はや
)
されてをるのでした。
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤も後で金座の御係に
鑑
(
み
)
て貰ひますと、千枚のうち十二枚だけは
眞物
(
ほんもの
)
の小判だつた相で御座います。
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
千次郎とお由は福松を
騙
(
だま
)
して空井戸につれ出し、其處に
眞物
(
ほんもの
)
の一萬兩の金が隱してあるとも知らず、此の中に一萬兩あるとか何とか
出鱈目
(
でたらめ
)
を言つて福松を殺したのさ。
銭形平次捕物控:153 荒神箒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分からもガラツ八を説いて、『いざ三々九度の杯といふ時、
眞物
(
ほんもの
)
の聟の錦太郎と入れ替はらせるから』といふ條件で、
漸
(
やうや
)
く聟入の
僞首
(
にせくび
)
になることを承知させたのでした。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞物
(
ほんもの
)
の五萬五千兩の隱し場所は、どんなに謎をかけたところで、主人の徳右衞門は打ち明けてくれさうもなく、さうかと言つて元日に庭を
掃
(
は
)
かせようとした手代の米松や
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
贋物の中に
眞物
(
ほんもの
)
の小判三十二枚入れてあつたのは、萬一の用意に、上側に並べて置いたので、この細工が、反つて平次に取つては、解決への最初のヒントでもありました。
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しましたが、聽いちやくれなかつた。あの通り一
徹
(
てつ
)
だからね。——割つたのは誰の仕業かわからないが、あれが若し
眞物
(
ほんもの
)
なら一つ/\が國の寶だ。よくない事だと思ふんだよ
銭形平次捕物控:144 茶碗割り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お關と言ふのかな、あの娘は。先刻まで私は
眞物
(
ほんもの
)
の濱路だなんて言ひ張つて居たが——
尤
(
もつと
)
もそんな天一坊氣取りさへなければ、飛んだ良い娘だ。下町育ちで解りが早いから」
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
まして、その僞物は、
眞物
(
ほんもの
)
とは似も付かぬ粗末な品で、誰が見ても一目でそれとわかります
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あつしの
眞物
(
ほんもの
)
の髷は
髱
(
たぼ
)
の中へ突つ込んで、叔母さんから
鬘
(
かつら
)
の古いのを貰つて、附け髷を拵へて頭の上へ載つけて行きましたよ、——
遉
(
さすが
)
に曲者も
僞物
(
にせもの
)
の髷とは氣が付かなかつた」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞物
(
ほんもの
)
の高力左近太夫高長は、翌年二月、江戸上屋敷に
潜
(
ひそ
)
んでゐるところを大目付に發見され、
豫々
(
かね/″\
)
所領の仕置宜しからずとあつて、三萬七千石を沒收、身柄は仙臺藩に預けられ
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「私が側に居て、斯んな事にならうとは思ひませんでした。お寺へも氣の毒ですし、
眞物
(
ほんもの
)
の小判が出なければ、せめて三つの一つでも私がお寺へ寄進をしようかと思つて居ります」
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞物
(
ほんもの
)
の御朱印はこの通り勿體ないがこの彦太郎の肌身に着けて守護してある——
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その跡に取り殘されて、おろ/\して居るのは
眞物
(
ほんもの
)
の聟、仲屋の錦太郎でした。二十五六の
華奢
(
きやしや
)
な男、青い顏をして、激動に顫へて居りますが、性根はなか/\の確りものらしくもあります。
銭形平次捕物控:100 ガラツ八祝言
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
武士なら、
金打
(
きんちやう
)
といふところだ。八五郎が木枯の傳次か傳次でねえか、確かな證據を揃へてお眼にかけよう。三日の間に
眞物
(
ほんもの
)
の木枯の傳次を縛れなかつたら、十手捕繩を返上してこの平次が
髷
(
まげ
)
を
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
疑ひもなく元のまゝの
眞物
(
ほんもの
)
で、贋物と摺り替へた形跡は少しもなく、あんなに骨を折つて盜つた癖に、
鐚錢
(
びたせん
)
一枚身に着けないのですから、この泥棒の目的ばかりは全く見當も付かないのでした。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
隱さう、あの
聖天
(
しやうてん
)
樣、男女兩體の二つの夜光石のうち、何千兩といふ値打のある、
眞物
(
ほんもの
)
の夜光石は、男體の額のだけで、女體の額にハメ込んである、
銀杏
(
ぎんなん
)
ほどの小さいのは、あれは僞物でございますよ
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
眞物
(
ほんもの
)
の御用聞に逢つたら? 曲者はどうなるだらう」
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分、到頭
眞物
(
ほんもの
)
ですね」
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
眞
部首:⽬
10画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“眞”で始まる語句
眞
眞實
眞中
眞面目
眞白
眞赤
眞直
眞黒
眞似
眞個