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看客
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かんかく
ふりがな文庫
“
看客
(
かんかく
)” の例文
今もしこれらの図にして精密なる写生の画風を以てしたらんには特殊の時代と特殊の
事相
(
じそう
)
及び感情は
忽
(
たちまち
)
看客
(
かんかく
)
の空想を束縛し制限すべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
渠
(
かれ
)
ら、お沢を
押取
(
おっとり
)
込めて、そのなせる事、神職の
言
(
げん
)
の如し。両手を
扼
(
とりしば
)
り、腰を押して、
真
(
ま
)
正面に、
看客
(
かんかく
)
にその姿を露呈す。——
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この薄汚いカアキイ服に、銃剣を下げた兵卒の
群
(
むれ
)
は、ほとんど
看客
(
かんかく
)
と呼ぶのさえも、皮肉な感じを起させるほど、みじめな看客に違いなかった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いつまでも消えそうもない宿命の姿だけが家々の内部からえぐり出したように見えてくる——劇場のさじきに一人ずつおさまり返っている
看客
(
かんかく
)
のように、人生のひもじい堪らない晩には
しゃりこうべ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
轟
(
とゞろ
)
かし
末世
(
まつせ
)
奉行の
鑑
(
かゞみ
)
と成たる
明斷
(
めいだん
)
に
因
(
ちなみ
)
て忠相ぬしが
履歴
(
りれき
)
とその
勳功
(
くんこう
)
の
大略
(
あらまし
)
とを豫て傳へ
聞
(
きゝ
)
異説
(
いせつ
)
天一
坊
(
ばう
)
さへ
書記
(
かきしる
)
して
看客
(
かんかく
)
の
覽
(
らん
)
に
供
(
そな
)
ふるなれば看客此一回を
熟讀
(
じゆくどく
)
して忠相ぬしが人と成り
腹
(
はら
)
にを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
かくて年は暮れたり。画工は正月の
松飾
(
まつかざり
)
整ひたる吉原の
廓
(
くるわ
)
に
看客
(
かんかく
)
を導き、一夜明くれば初春迎ふる色里の
賑
(
にぎわい
)
を見せて、ここにこの絵本を完了す。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこには参謀肩章だの、副官の
襷
(
たすき
)
だのが見えるだけでも、一般兵卒の
看客
(
かんかく
)
席より、遥かに空気が花やかだった。
将軍
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
のりつけほう。〔備考、この時、
看客
(
かんかく
)
あるいは
哄笑
(
こうしょう
)
すべし。
敢
(
あえ
)
て煩わしとせず。〕(
恁
(
か
)
くして、一人一人、枝々より梟の呼び取る
方
(
ほう
)
に、ふわふわとおびき入れらる。)
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妻と申立しことなり
看客
(
かんかく
)
怪
(
あやし
)
み給ふ事なかれ
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と思うと老人もしっきりなしに鼻紙を出してはしめやかに鼻をかみつづけている。保吉はこう云う光景の前にまず何よりも驚きを感じた。それからまんまと
看客
(
かんかく
)
を泣かせた悲劇の作者の満足を感じた。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
看
常用漢字
小6
部首:⽬
9画
客
常用漢字
小3
部首:⼧
9画
“看”で始まる語句
看
看護
看板
看破
看做
看過
看病
看護婦
看経
看守