相通あいつう)” の例文
これを政治上より見れば各国共に領域がげんに区画せられてあることは言うまでもないが、貿易上の見地に立って観察すれば、各国相互に有無うむ相通あいつう
世界平和の趨勢 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
それは、あまりにも空想的くうそうてきかんがえようであったでしょう。しかし、たとえあにいもうとでなくても、そのみきったかがやくなかに、相通あいつうずるものをました。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
漢名かんめい(中国名のこと)の淫羊藿いんようかくき、中国の説では、羊がこの葉(かく)を食えば、一日の間に百ぺん雌雄しゆう相通あいつうずることができる効力を持っていると信ぜられている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「たとへ法然上人ほうねんしょうにんにすかされまゐらせて念仏して地獄じごくにおちたりとも、さらに後悔こうかいすべからずさふらふ」という親鸞しんらんの言葉と、一脈いちみゃく相通あいつうずるところがあるからなのかもしれない。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
有無うむ相通あいつうじ、長短ちょうたん相補あいおぎなう。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
仏壇ぶつだん燈火あかりとは、なんのえんがないようなものの、やはり燈火あかりはかすかなかがやきをはなって、そのかがやきの一筋ひとすじに、たこのうなっている、あお大空おおぞらてと、相通あいつうずるところがあることをおもわせたのです。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)