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生洲
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いけす
ふりがな文庫
“
生洲
(
いけす
)” の例文
ぼくらは、とった魚を、石で囲んで、小さな
生洲
(
いけす
)
をこしらへて、生き返っても、もう
遁
(
に
)
げて行かないやうにして、また石取りをはじめた。
さいかち淵
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鍔
(
つば
)
から
外
(
はず
)
れた
切
(
き
)
ッ
尖傷
(
さききず
)
、
柄手
(
つかで
)
を
朱
(
あけ
)
に染めつつ銀五郎、もう受身に受身を重ねてジリジリと
生洲
(
いけす
)
の
縁
(
ふち
)
へ追いつめられる。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「その間にや一軒小綺麗な家を建てませうわい。向ひ側の洞穴の所を
生洲
(
いけす
)
にしていろんな魚を飼つといたら商賣にもなるし、面白いだらうと思ひますぜ。」
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
そして
浪華橋
(
なにはばし
)
の下の
生洲
(
いけす
)
の
網彦
(
あみひこ
)
と云ふ川魚料理の船で、御飯を食べて帰るのでした。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
……左衛門町の
棒手振
(
ぼてふり
)
の金蔵というのが、藤五郎が
生洲
(
いけす
)
へ手を入れているところへ行きあわした。どういうはずみだったか、そのとき銀の腕守の留金がはずれて生洲の中へ落っこちた。
顎十郎捕物帳:18 永代経
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
亭の前の
崖下
(
がけした
)
は
生洲
(
いけす
)
になっていて、
竹笠
(
たけがさ
)
を
冠
(
かぶ
)
った邦人の客が五六人釣をしている。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
しかし
斯
(
こ
)
うなりゃあ
生洲
(
いけす
)
の
魚
(
うお
)
だ。遅かれ早かれ、こっちの物よ
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この宿の
生洲
(
いけす
)
の汐に映るもの石崖と岩の墨いろの影
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これで、かめの
生洲
(
いけす
)
は、だめなことがわかった。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
では山林や猟場や
生洲
(
いけす
)
のある城もですか。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
生洲
(
いけす
)
にて囲いたるものは最も味悪し。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ぼくらは、とった魚を、石で囲んで、小さな
生洲
(
いけす
)
をこしらえて、生き
返
(
かえ
)
っても、もう
遁
(
に
)
げて行かないようにして、また
石取
(
いしと
)
りをはじめた。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
生洲
(
いけす
)
の魚じゃありませんが、同じ江戸のお奉行へ差立てるにしても、
生
(
いき
)
のいいやつを送るのと死んだ
骸
(
から
)
を送るのじゃ、値打において大変なちがいです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生洲
(
いけす
)
に落ちる水の滴りだけが聴える。
家霊
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
もうこうなれば、
生洲
(
いけす
)
の
魚
(
うお
)
です
半七捕物帳:61 吉良の脇指
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
生洲
(
いけす
)
には
瑠璃
(
るり
)
のさゞなみ
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「そうじゃ、九鬼
氏
(
うじ
)
一刻も早く!」バラバラと裏
梯子
(
ばしご
)
を降りて川長の庭——夜露をしのいで忍びこむと、人の気配にさとい
生洲
(
いけす
)
の魚がパチャッと月の輪を水にくずした。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あ、
生洲
(
いけす
)
、
打壊
(
ぶっこわ
)
すとこだぞ。」と叫んだ。
さいかち淵
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
二間造りの
別棟
(
べつむね
)
で、魚をかこっておく
生洲
(
いけす
)
の水がめぐっており、板場の雑音は近いが、屋根から庭木へ掛けてある
川狩
(
かわがり
)
使いの網の目に、色町の中とは見えぬ静かな宵の月が一輪。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
洲
漢検準1級
部首:⽔
9画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死