牢屋らうや)” の例文
夫人ふじん牢屋らうやる』とつて女王樣ぢよわうさま死刑執行者しけいしつかうしやに、『此處こゝれてまゐれ』そこ死刑執行者しけいしつかうしやごとはしりました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
イワンは所持金と馬車につんでゐた商品をことごとく没収された上、そこから一ばん近くの町へはこばれて、牢屋らうやへおしこめられてしまひました。
ざんげ (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
聞れしからば必定かならずほか盜賊たうぞくあるべきにより早々さう/\詮鑿せんさくすべし窮屈きうくつながら今少し辛抱しんばうせよといたはられ又々牢屋らうやへ下げられけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お葉の寝てゐる所は、どこか真暗な牢屋らうやのやうな所で、高い所に、小さな小さな窓が、一つしかなかった。そしてその窓からは、白い光線が少し入るばかりであった。
青白き夢 (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
利安は後但馬たじまと云つた母里もり太兵衞友信、後周防すはうと云つた井上九郎次郎之房等と、代わる/″\商人の姿に身をやつして、孝高の押し籠められてゐる牢屋らうやの近邊を徘徊はいくわいして主を守護した。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
牢屋らうやにはいつて居る可愛さうな人を助けて出してやつたつてネ
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
三大節に紅白のあんもちたまはりし牢屋らうやぞむしろ今はよろしも
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
金の箱、銀の箱、宝石の箱、大女のへや牢屋らうや、大女の庭。
虹猫の大女退治 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
三次聞て大いに笑ひ何と云はるゝや長庵らう牢屋らうやくるしみにて眼もくらみしや確乎しつかりし給へ小手塚の三次なりと云ひければ何ぞ牢内らうないの苦しみがつよければとて知己ちきの人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おかみさんは、その二人の子どもをつれて、イワンが入れられてゐる牢屋らうやへたづねていきました。
ざんげ (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
おれは牢屋らうやへはいつてびし/\ぶたれたときでもこれほど苦しくは思はなかつた。かうしておまいのまへにすわつたこの心もちは、むちでぶたれるよりもまだつらいのだ。
ざんげ (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)