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無人相
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ぶにんさう
此家へ
世辞を
買に
来る者は
何れも
無人相なイヤアな顔の
奴ばかり
這入つて
来ます。
是は
其訳で
無人相だから
世辞を
買に来るので婦人
此の
書物と、
青い
傘を
掛けたランプとの
外には、
世に
又何物も
有らぬかと
思はるる
靜けさ。
院長の
可畏き、
無人相の
顏は、
人智の
開發に
感ずるに
從つて、
段々と
和ぎ、
微笑をさへ
浮べて
來た。
アノ
私はね、
浜町の
待合茶屋でございますがね、
何うも
私は
性来お
世辞がないんですよ、だもんだからお
母さんが、
手前の
様に
無人相ぢやア
好いお客は
来やしないから
世辞を買つて
来いと
器量は
好いけれども
何所ともなしに
愛嬌のない
無人相な
容貌で若