清二せいじ)” の例文
田中舘たなかだて先生の肖像を頼む事に関して何かの用向きで、中村清二せいじ先生の御伴をして、谷中やなかの奥にその仮寓かぐうを尋ねて行った。それは多分初夏の頃であったかと思う。
中村彝氏の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しょうちゃん、かんにんしてね。ぼく、とんぼをったらあげるから。」と、清二せいじは、あやまりました。
金色のボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
清二せいじは、黄一郎の直ぐの弟だった。その下が、ゴム工場へ勤めている弦三げんぞうで今年が徴兵ちょうへい適齢てきれい。その下に、みどりと紅子べにこという姉妹があって、すえ素六そろくは、やっと十五歳の中学三年生だった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
弟の方にはしかもお前の友達の小花こはなといふ色があるではないか、頼まれもせぬにおれから言ひ出し、今更ら理窟をいふではなけれど、うわさに聞けば小花と清二せいじとは、商売用で荻江おぎえの内へ往き始めしころ
そめちがへ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
そのうちにれて、その用事ようじわると、彼女かのじょは、自分じぶんのへやへはいって、このあいだ、おとうと清二せいじからきた手紙てがみしてなつかしそうに、またかえしていたのです。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あたしゃ清二せいじの様子が、気になってしようがないのだよ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
らない。しょうちゃん、みちちているのをひろったんだろう。」と、清二せいじが、きました。
金色のボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なあんだ、ボタンじゃないか。」と、清二せいじがつまらなそうに、いいました。
金色のボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)