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混凝土
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コンクリート
ふりがな文庫
“
混凝土
(
コンクリート
)” の例文
氷層以外の部分の土は大体一ように固くなって、
混凝土
(
コンクリート
)
のように凍っている。氷層にも色々種類があり、混凝土状もまた一種ではない。
凍上の話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
その
混凝土
(
コンクリート
)
氏こと、
山木
(
やまき
)
勘九郎氏邸の前を通ると、
鬱蒼
(
うっそう
)
たる
樫
(
かし
)
の木立の奥に、青空の光りを含んだ
八手
(
やつで
)
の葉が重なり合って覗いている。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
二十人は、角面堡の
混凝土
(
コンクリート
)
の長い壁にそって、二間おきぐらいに立たされた。竜太郎は五番目だった。その右隣りにアウレスキーがいた。
墓地展望亭
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
なるほど万里の長城のごとくに
蜿蜒
(
えんえん
)
として、見事な
混凝土
(
コンクリート
)
の
溝渠
(
インクライン
)
が走っている。
彼方
(
かなた
)
の丘に見え隠れして、時々車窓近くに並行してくる。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
菓子の鹿の子のように、
混凝土
(
コンクリート
)
を土台にして形のそろった石を張りつけたのであろう。丘の下から見上げるのだから、その全貌は展望出来ない。
狂い凧
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
▼ もっと見る
明治中世の「文芸倶楽部」口絵写真には堤防
混凝土
(
コンクリート
)
の出来以前の桜花爛漫たる秀景が掲載されてゐるが、さうした時代のこの辺りの風景を美しく紹介してゐるものは
巣鴨菊
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
南面の窓に並んで、鉄筋
混凝土
(
コンクリート
)
の上層建築が半分ほど出来あがっていた。
都会地図の膨脹
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
よく見ると幅が三尺ばかりある
混凝土
(
コンクリート
)
の階段が下へ降りてるらしい。
凍るアラベスク
(新字新仮名)
/
妹尾アキ夫
(著)
面白いのは、
混凝土
(
コンクリート
)
状凍結である。今の霜降状凍結で氷層以外の部分は、粘土が白く混凝土のように凍っているだけである。
凍上の話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
真っ黒に焼けた柱の燃え残りが、あちらこちらに不気味に突っ立って、テラスの
混凝土
(
コンクリート
)
の
床
(
ゆか
)
だけが残っているのが、何ともいえぬ
凄惨
(
せいさん
)
さです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
……すると、それと殆ど同時に、
混凝土
(
コンクリート
)
の厚い壁を隔てた隣りの六号室から、
魂切
(
たまぎ
)
るような
甲高
(
かんだか
)
い女の声が起った。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
円形植込
(
コルベール
)
の両側をめぐって、門のほうへ
混凝土
(
コンクリート
)
の白い道がつづき、その上に秋の月が、蒼白い光を投げている。
キャラコさん:11 新しき出発
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鹿児島市は、半ば
廃墟
(
はいきょ
)
となっていた。鉄筋
混凝土
(
コンクリート
)
の建物だけが、外郭だけその形を止め、あとは
瓦礫
(
がれき
)
の散乱する
巷
(
ちまた
)
であった。ところどころこわれた水道の
栓
(
せん
)
が白く水をふき上げていた。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
溝渠
(
インクライン
)
はさぞ満々たる水を
湛
(
たた
)
えて走っていると思いのほか、なんと一滴の水もなく、カラカラに乾き切って
混凝土
(
コンクリート
)
の底は、灰色の
地肌
(
じはだ
)
を見せているのです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
ちょっと忍び込んでみたくなる位である。多分、あの樫の木の
闇
(
くら
)
がりが御自慢なのであろうが、
混凝土
(
コンクリート
)
を喰った証拠に
混凝土
(
コンクリート
)
の家を建てるのはドウカと思う。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
凍土は
混凝土
(
コンクリート
)
に劣らぬくらい硬いので、
鶴嘴
(
つるはし
)
の先が直ぐ傷んでしまう。それを時々研ぎながら、カチンカチンとほんの少しずつ凍土の中に穴を掘って行くのである。
凍上の話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
公園の広場をとりまく灌木のひくい斜面のしたに、水飲み場のついた
混凝土
(
コンクリート
)
の小さな休憩所がある。
キャラコさん:10 馬と老人
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかし彼の想像のなかでは、ごみごみした家の露地のつきあたりに、その建物はうすっぺらな
混凝土
(
コンクリート
)
造りで立っていた。その中に入れられている三元の姿も、彼はある程度まざまざと想像できた。
黄色い日日
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
高き
混凝土
(
コンクリート
)
塀
(
べい
)
を
繞
(
めぐ
)
らしたる同校構内に校外の少女を同伴し来るが如きは可能性の少ない一片の想像に過ぎず。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
金貨は
混凝土
(
コンクリート
)
の床に
撥
(
は
)
ね返って、チリリイン! と涼しい余韻を、いつまでも人々の耳に響かせていた。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あんなことになった……洋館の西側に、
混凝土
(
コンクリート
)
の馬鹿でかいケチンをつくったのは、ああしておけば、ケチンが
扶壁
(
ふへき
)
の役をして、いちどに、ぐしゃっといかずにすむからですよ。
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その奥さんは、その亭主の尻拭い紙である色々な重要書類を紛失したのを苦にして、発狂して死んでしまった……と云ったら誰でも「ああ。あの
混凝土
(
コンクリート
)
野郎か」
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
翌朝、監房監守が点検にゆくと、東側八号室の女は細紐で固く喉をしめて
縊死
(
いし
)
をとげていた。ちょっと胸にさわって、もう絶命しているのを見てとると、靴音高く
混凝土
(
コンクリート
)
の廊下を走り去った。
金狼
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その巡査の眼の前の
混凝土
(
コンクリート
)
の上に又野は、三好の死骸をドタリと突き放した。血に染まった丸坊主の両腕を突出してヨロヨロと立上った。腰をかがめてヒョコリとお辞儀をした。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
右手に見えております
混凝土
(
コンクリート
)
の暗い階段は、この部屋が地下室である事を示しておりますので、正面に並んだ白ペンキ塗の十数個の大きな
抽斗
(
ひきだし
)
は、皆、屍体の容器なので御座います。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
眼を
凝
(
こ
)
らしながら身構えていたが、そのうちに薄黒いダンダラを作った花壇の向う側の暗黒を、白々と横切っている
混凝土
(
コンクリート
)
塀に眼を止めると、彼は思わずニンガリと冷笑して
首肯
(
うなず
)
いた。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
青黒い
混凝土
(
コンクリート
)
の壁で囲まれた二
間
(
けん
)
四方ばかりの部屋である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“混凝土”の意味
《名詞》
コンクリートの漢字表記。
(出典:Wiktionary)
混
常用漢字
小5
部首:⽔
11画
凝
常用漢字
中学
部首:⼎
16画
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“混凝土”で始まる語句
混凝土混合機
混凝土塀