毒瓦斯どくガス)” の例文
「なに、八四二区か。ふむ、それは本当に油断がならないぞ。敵機が着陸したら、すぐ毒瓦斯どくガス部隊で取り囲んで、敵を殲滅せんめつしてしまえ」
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
路地の中は、まさに毒瓦斯どくガスの製造所でした。女達は悲鳴をあげて逃げ出した中に、八五郎と平次は、からくも踏留って、指図をして居ります。
博士の発見された毒瓦斯どくガスは、従来発見されたどの毒瓦斯よりも飛び離れて強力で、その製法は国家の秘密となっているので
髭の謎 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「そんな形式は取らない。溝淵閣下は橋本閣下から恨まれているんだから、釈明は後からのことにして、手っ取り早く毒瓦斯どくガスを使うんだろう」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
仏国のチソーという人が、煙や硫気その他の毒瓦斯どくガスの中で仕事をする人のために呼吸器を作って発表した。
話の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
Kと云ふ小説家のことを、彼の買つたブル・ドツグのことを、リウイサイトと云ふ毒瓦斯どくガスのことを。……
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
独逸軍の毒瓦斯どくガスに対して、ヅリヤンを砲弾代りに使つたらと聯合軍れんがふぐんに勧めた者がある。
毒瓦斯どくガスの中に、らすこと対して、たゞこれを不可抗力の運命と視して考えずにいられようか? 互に、罪もなく、怨みもなく、しかも殺し合って死なゝければならぬ子供等自身の立場に立ちて
毒瓦斯どくガスタンクは おそれねど
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
あのあおい眼玉をした赤鬼たちが、吾等の愛すべき家族をねらって爆弾を投じ、焼夷弾しょういだんで灼きひろげ、毒瓦斯どくガス呼吸いきの根を停めようとするのだ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
言うまでもなく毒瓦斯どくガスの秘密を奪うつもりだろう。しかるに犯人たちが昨晩までいたのは、おそらく秘密を見つけることができなかったためだろう。
髭の謎 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
閣下はそのはずれる程度によって毒瓦斯どくガスき目を試めす積りだったが、瀬戸君は案外の成績だった。
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
僕等はいつか教文館きょうぶんかんの飾り窓の前へ通りかかった。なか硝子ガラスに雪のつもった、電燈の明るい飾り窓の中にはタンクや毒瓦斯どくガスの写真版を始め、戦争ものが何冊も並んでいた。
彼 第二 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「だが、毒瓦斯どくガスが来ると、このあなの中は駄目になるぜ。駅長に云って、早く入口の鉄扉てつどを下ろさせようじゃないか」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
せっかく先生を殺しても、肝心の毒瓦斯どくガスの秘密は、とうとう見つからなかったのじゃないか。
髭の謎 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「その反対に手段をえらばずってことにしよう。僕は毒瓦斯どくガスを使う」
求婚三銃士 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
——いや小生しょうせいはこのたびぜひとも博士せんせいにお願いをして、毒瓦斯どくガスをマスターいたしたいと決心しまして、そのことで遥々はるばる南海の孤島ことうからやって参りました
彼等は、毒瓦斯どくガスたちこめる原頭げんとうに立って、いささかもひるむところなく、例の大きな機械の組立を急いだ。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)
風が出てきて、余燼よじんがスーと横に長引くと、異臭いしゅうの籠った白い煙が、意地わるく避難民の行手をふさいで、その度に、彼等は、また毒瓦斯どくガスが来たのかと思って、狼狽ろうばいした。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
こいつを、氷の中に叩きこんで、きゅっきゅっとやると、この殺人的暑さは嵐にあった毒瓦斯どくガスの如く逃げてしまうことじゃろうが、それにしても五百元とは高い、今のわしの財政ではなあ
室内にはシューシューとなり耳に立つ音がしている。それは毒瓦斯どくガスをしきりに排気している送風機の音だった。排気が済まないと、首領は出て来られないのだと、帆村は早くも悟った。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
途端とたん鼻粘膜びねんまくに異様な鋭い臭気を感じたのだった。毒瓦斯どくガス!——もう遅い。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そう思うのが畜生……イエその、つまり浅間しさですよ。出来ます、出来ます。立派に出来ます。社長さんが報国の精神さえあればですよ。もし無いというのなら、私の発明になる時計じかけの毒瓦斯どくガス
発明小僧 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
「あ、毒瓦斯どくガス。マスクだ、マスクだ」
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
避難所は毒瓦斯どくガスの避難所だ。
空襲下の日本 (新字新仮名) / 海野十三(著)
毒瓦斯どくガス地帯
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)