トップ
>
死花
>
しにばな
ふりがな文庫
“
死花
(
しにばな
)” の例文
「かかる破格な御供養をたまわり
亡父
(
ちち
)
には
死花
(
しにばな
)
が咲いたようなもの。さだめし地下でよろこんでおりましょう」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒲團やの時代から左のみの男と思はなんだがあれこそは
死花
(
しにばな
)
、ゑらさうに見えたといふ、何にしろ菊の井は大損であらう、彼の子には結構な旦那がついた筈
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼は親分に向って、彼の体力、智慧、才覚、根気、度胸、其様なものを従来私慾の為にのみ使う
不埒
(
ふらち
)
を責め
最早
(
もう
)
六十にもなって余生幾何もない其身、改心して
死花
(
しにばな
)
を咲かせろと勧めた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
己
(
おれ
)
も死のうと云うと一緒なら
死花
(
しにばな
)
が咲くと云ったじゃないか、己は
死後
(
しにおく
)
れて
死切
(
しにき
)
れないから
漸
(
ようや
)
く
堤
(
どて
)
へ上って、吾妻橋から飛込もうと思って来た処が、まだ人通りがあって飛こむ事もならねえから
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蒲團
(
ふとん
)
やの
時代
(
じだい
)
から
左
(
さ
)
のみの
男
(
をとこ
)
と
思
(
おも
)
はなんだがあれこそは
死花
(
しにばな
)
、ゑらさうに
見
(
み
)
えたといふ、
何
(
なに
)
にしろ
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
は
大損
(
おほぞん
)
であらう、
彼
(
か
)
の
子
(
こ
)
には
結搆
(
けつこう
)
な
旦那
(
だんな
)
がついた
筈
(
はづ
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
唯将軍と余の間に一の
縁
(
えん
)
を作ったに過ぎぬ。乃木将軍夫妻程
死花
(
しにばな
)
が
咲
(
さ
)
いた人々は
近来
(
きんらい
)
絶無
(
ぜつむ
)
と云ってよい。大将夫妻は実に日本全国民の
崇拝
(
すうはい
)
愛慕
(
あいぼ
)
の
的
(
まと
)
となった。乃木文学は一時に山をなして出た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
村「えー本当、どうも嬉しいじゃアないか、私も実は一緒に死にたいと思っても、お前さんに云うのが気の毒で遠慮していたが、お前さんと一緒なら私ゃ本当に
死花
(
しにばな
)
が咲きます、友さん本当に死んで下さるか」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
死花
(
しにばな
)
だ! 死花だ! と彼の心は躍ってくる。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頸筋
(
くびすぢ
)
の
突疵
(
つききず
)
など色々あれども、たしかに逃げる処を遣られたに相違ない、引かへて男は美事な切腹、
蒲団
(
ふとん
)
やの時代からさのみの男と思はなんだがあれこそは
死花
(
しにばな
)
、ゑらさうに見えたといふ
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
死
常用漢字
小3
部首:⽍
6画
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
“死”で始まる語句
死
死骸
死人
死屍
死際
死霊
死去
死亡
死様
死別