武州ぶしう)” の例文
身上しんしやうためだからわれ我慢がまんするもんだ、汝等處わツらとこぢやねえ、武州ぶしうはうへなんぞられていてるものせえあら」とかれまたからうじていつた。大人おとなしくだまつてたおつぎは
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さてまたこゝ武州ぶしう熊谷堤くまがいづつみはづれに寶珠花屋はうじゆばなや八五郎と云居酒屋あり亭主八五郎は此邊の口利くちきゝにて喧嘩けんくわ或ひは出入等之ある時はいつあつかひに這入はひりては其騷動そのさうどうしづめけるにかれが云事は皆是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私等は去年やつたやうな歌の修行の集まりをば武州ぶしう三峰山上みつみねさんじやうで開いた。しかるに三峰山上には仏法僧鳥がしきりに啼いた。もう日が暮れかかると啼く。月明げつめいの夜などには三つも四つも競つて啼いた。
仏法僧鳥 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
して相待居あひまちをりしに付直樣すぐさま案内あんないとして六月廿日に淺草寺あさくさでら明卯刻あけむつかねと共に立出たちいで炎天えんてんをもいとはず急ぎ武州ぶしう埼玉郡さいたまごほり杉戸宿名主太郎左衞門方へちやく早速さつそくに道具屋渡世林藏を呼出せし所他行たぎやうおもぶきにて女房にようばう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
武州ぶしうツちやどつちのはうだんべ」むしろあどけなくいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)