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此文
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このふみ
手にとりつ
淺からぬお
心辱けなしとて三
郎喜こびしと
傳たへ
給へ
外ならぬ
人の
取次こと
更に
嬉しければ
此文は
賜はりて
歸宅すべしとて
懷中に
押いれつゝ
又こそと
坐を
立ちし
物の
此文には
何の
文言どういふ
風に
書きて
有るにや
表書きの
常盤木のきみまゐるとは
無情ひとへといふ
事か
岩間の
清水と
心細げには
書き
給へど
扨も/\
御手のうるはしさお
姿は申すも
更なり
御心だてと
云ひお
學問と
云ひ
欠け
處なき
御方さまに
思はれて
嫌やとはよもや
仰せられまじ
我れ
深山育ちの
身として
比べ
物になる
心は