“歓喜(かんき)” の例文
旧字:歡喜
歓喜(かんき)の声! 三十余頭の海ひょうを、九人の少年がえいえい声をあわして運んで来たとき、年少組はおどりあがってかっさいした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
かの女はいまおくり物を検査(けんさ)するために、小屋の中へはいって行った。一つ一つ見つけては、かの女は歓喜(かんき)のさけび声を立てた。
と、人々の間から流れた感嘆の声を聞くと、環の眦(まなじり)は、たらたらと、湯のような涙を垂らして、一筋の歓喜(かんき)を、頬へ描いた。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「真実(しんじつ)にそう思いなさるならば、わたしの力でそうしてあげられないこともない。」若者の面(おもて)には歓喜(かんき)の色がかがやきはじめた。老人はしゃべりつづけた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
街(まち)は、いつものごとく燈火(とうか)に彩(いろど)られ、人々(ひとびと)は、歓喜(かんき)しています。——私(わたし)は、憂鬱(ゆううつ)になりました。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼は、灼鉄と硝煙(しょうえん)と閃光と鳴動(めいどう)との中に包まれたまま、爆発するような歓喜(かんき)を感じた。その瞬間に、彼から、仏天青(フォー・テンチン)なる中国人の霊魂(れいこん)と性格とが、白煙(はくえん)のように飛び去った。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その頃の氏の態度は、丁度(ちょうど)生(うま)れて始めて、自分の人生の上に、一大宝玉(ほうぎょく)でも見付け出した様(よう)な無上の歓喜(かんき)に熱狂して居ました。キリストの名を親しい友か兄の様に呼び、なつかしんで居ました。
かすかに水をかく音がする、とフハンが一声長く尾をひいてほえた、それは親しいものによびかける歓喜(かんき)をあらわすほえ声だ。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
わたしは希望(きぼう)と歓喜(かんき)が胸(むね)にいっぱいたたみこまれて、もうすっかりバルブレンのことをよく思いたい気になっていた。
家畜(かちく)野菜(やさい)をもたらしてくる者、あるいは労力の奉仕を申しこむ若者もあり、なかにはしおらしくも、まずしい一家がよろこびの餅(もち)をついて献納(けんのう)するなど、人情の真美と歓喜(かんき)のこえは
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
艇内は、恐怖よりとつぜん歓喜(かんき)に変わって、どっと歓声があがった。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
とくに歓喜(かんき)にたえざるは、十五少年諸君が心を一にして一糸みだれず、すべて連盟の規約(きやく)を遵守(じゅんしゅ)したる一点であります。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
はげしい歓喜(かんき)の表情(ひょうじょう)のありったけを見せて、かべに向かってとびかかっていた。
はやその眸(ひとみ)はうるみ、胸は恋しさにわななくものを、まだ存命(ぞんめい)ときいては、そぞろ恩愛の情(じょう)あらたにひたひたと胸をうって、歓喜(かんき)と驚愕(きょうがく)と、またそれを、怪しみうたがう心の雲が入(い)りみだれる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、地軸(ちじく)をゆるがす歓喜(かんき)の声。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤吉郎は歓喜(かんき)に衝(つ)かれた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)