歎願たんぐわん)” の例文
願ふ所にてうらみもはれたれば一ト通りの歎願たんぐわんにてはとても助命覺束おぼつかなく思ひ六右衞門の申立たる棄子に事寄吉兵衞が差當りての作意さくいにてかゝることを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまうへにはにくくし剛慾がうよくもの事情じじやうあくまでりぬきながららずがほ烟草たばこふか/\あやまりあればこそたゝみひたひほりうづめて歎願たんぐわん吹出ふきいだすけむりして
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あいちやんは姿すがたせるやいなや、問題もんだい解决かいけつするやうにと三にんから歎願たんぐわんされました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
棄ても歎願たんぐわんせねば第一しんだ母親の位牌ゐはいの前へも言譯なし久左衞門とか云人のなさけによりてかく迄に成人ひとゝなりたる者なるか親は無とも子はそだつとの諺言ことわざも今知られけるとは云物の是迄は苦勞くらう辛苦しんく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
歎願たんぐわんせしに最早もはや罪科ざいくわきはま御所刑おしおきづけへ老中方の判もすわりたり今少し早くば致方もあるべきに今更是非なしとの事なれば吉右衞門平兵衞共に途方とはう寥々すご/\と歸りしが吉右衞門は如何程いかほど金子入用にても何卒喜八を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)