じゆ)” の例文
月は一庭のじゆらし、樹は一庭の影を落し、影と光と黒白こくびやく斑々はん/\としてにはつ。えんおほいなるかへでの如き影あり、金剛纂やつでの落せるなり。
良夜 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
芝生の上へ円形にその花を落すサンバじゆなどの蔭を踏むと、極楽鳥と云ふるゐの美しい鳥が𤍠帯に棲んで居るのも不思議でない気がする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
火葬場にマングローヴじゆ植ゑたりき其処の灰を手にすくひても見つ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
なれ鳶色のみるてじゆよ。鳶よ、ときはの。
リシダス (旧字旧仮名) / ジョン・ミルトン(著)
葡萄じゆつゆしたむらを過ぎ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
驟雨しうういて力車りきしやに乗り市内を見物して廻つたが、椰子やしは勿論、大きな榕樹ようじゆ、菩提樹、パパイヤじゆ爪哇竹ヂヤワちくなどの多いのが眼に附く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
戦死者の記念塔きねんたふのまへにセナじゆうゑ往くも還るも見む人のため
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
一つはクレオパトラと思はるる女王ぢよわうと男とが一じゆもとに空を仰ぎ居る図、もとより木の上には鳥形とりがた星形ほしがたの形象字あまたあるものにさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)