検査けんさ)” の例文
旧字:檢査
桟橋さんばしると、がらんとした大桟橋だいさんばし上屋うはやしたに、三つ四つ卓子テーブルならべて、税関ぜいくわん役人やくにん蝋燭らふそくひかり手荷物てにもつ検査けんさをしてる。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
かの女はいまおくり物を検査けんさするために、小屋の中へはいって行った。一つ一つ見つけては、かの女は歓喜かんきのさけび声を立てた。
お祭りだというので、いつものように役人やくにんは牢屋の中を見まわりにもこないし、部屋へや検査けんさもされず、さけを持ちこむのも、おおめに見られていたのです。
中には不思議ふしぎに思う者もあって、舞台ぶたい調しらべてみたり、人形を検査けんさしたりしました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
四人は洞穴を検査けんさして外へ出ると、フハンはまたもや狂気のごとく走った、それについて川をくだると、大きなぶなの木の下に、一たいの白骨があった。これこそ洞穴の主人の遺骸いがいであろう。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
シューラの身体からだはぐるぐるまわされたり、さぐりちらかされたりして、くまなく検査けんさされた。おまけに少しずつはだかにされた。小使こづかい長靴ながぐつをぬがして、ふるって見た。万一のために、靴下くつしたもはいでみた。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
牛乳ぎゅうにゅう検査けんさ 夏 第百二十三 牛乳の検査
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
かれらはまぶたをばちばち動かすだけで、わたしたちがしつっこく検査けんさするままにまかせていた。一時間もかかって調べたのち、わたしたちは十七頭気にいったのを見つけた。
税関附ぜいくわんづき官吏くわんりて、大蔵省おほくらしやうから桑港税関長さうかうぜいくわんちやうてた書面しよめんうつしれる。ると、一周会員しうくわいいん荷物にもつ東京駐剳大使とうきやうちうさつたいし照会せうくわいがあつたので、一々検査けんさくはふるにおよばぬとの内訓ないくんである。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)