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格子
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ごうし
ふりがな文庫
“
格子
(
ごうし
)” の例文
足を拭いていると、帳場
格子
(
ごうし
)
にいた会田屋の老主人が、ちらと見て、初めて気がついたように筆を耳に
挟
(
はさ
)
んで出てきた。
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところどころに織り出した
黒縮緬
(
くろちりめん
)
の羽織に、地味な藍色がかった薄いだんだら
格子
(
ごうし
)
のお召の着物をきて
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
その静寂をおして堂内へはいることは
憚
(
はばか
)
られました。千恵は
上靴
(
うわぐつ
)
の音を忍ばせて、こつそり廊下の小窓へ寄つて、唐草模様の銅
格子
(
ごうし
)
ごしにそつと堂内をのぞき込みました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
暖簾
(
のれん
)
を垂らした
瓦燈口
(
がとうぐち
)
に紅殻塗りの上り
框
(
がまち
)
、———世話
格子
(
ごうし
)
で下手を仕切ったお定まりの舞台装置を見ると、暗くじめじめした下町の臭いに
厭気
(
いやけ
)
を催したものであったが
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
四寸
格子
(
ごうし
)
のはまったご牢屋の中です。ちゃんとかぎがかかって、そのかぎはあの源内だんなが後生だいじと腰に結わえつけていらっしゃるんだ。外から人のへえったはずはねえんです。
右門捕物帖:35 左刺しの匕首
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
小野さんは
黙然
(
もくねん
)
と
香炉
(
こうろ
)
を見て、また黙然と布団を見た。
崩
(
くず
)
し
格子
(
ごうし
)
の、畳から浮く角に、何やら光るものが奥に
挟
(
はさ
)
まっている。小野さんは少し首を横にして輝やくものを物色して考えた。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「お上さん、三公はどッかへ出ましたか?」と店から声をかけられて、お光は始めて気がつくと、若衆の為さんが用足しから帰ったので、中仕切の千本
格子
(
ごうし
)
の間からこちらを
覗
(
のぞ
)
いている。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
葉子は電話室を出るとけさ始めて顔を合わした
内儀
(
おかみ
)
に帳場
格子
(
ごうし
)
の中から
挨拶
(
あいさつ
)
されて、
部屋
(
へや
)
にも伺いに来ないでなれなれしく言葉をかけるその仕打ちにまで不快を感じながら、
匆々
(
そうそう
)
三階に引き上げた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
媚
(
なまめ
)
かしい、
紅
(
べに
)
がら
格子
(
ごうし
)
を五六軒見たあとは、
細流
(
せせらぎ
)
が流れて、薬師山を一方に、
呉羽神社
(
くれはじんじゃ
)
の大鳥居前を過ぎたあたりから、
往来
(
ゆきか
)
う人も、来る人も、なくなって、古ぼけた
酒店
(
さかみせ
)
の杉葉の
下
(
もと
)
に、茶と黒と
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
松枝町角屋敷の塀を
刎
(
は
)
ね越して出ると、そのまま、程遠からぬわが
侘住居
(
わびずまい
)
——表は、
磨
(
みが
)
き
格子
(
ごうし
)
の入口もなまめかしく、さもおかこい者じみてひっそりと、住みよげな家なのだが、そこに戻って来ると
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
千恵があの礼拝堂の銅
格子
(
ごうし
)
ごしに見た姉さまの顔は、まぎれもなく狂女の顔だつたのです。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
中仕切
(
なかじきり
)
のさん
格子
(
ごうし
)
に、ゆらゆらと黄色い明りがさしたので、娘の目も初めて影法師に知ったでしょう。四ツ目屋の奥には、最前から物音もさせずに、まだほかの男がいた気配であります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“格子”の意味
《名詞》
細い角材や竹を縦方向、横方向に組み合わせた建具。
(context、mathematics)ベクトル空間の基底を整数係数で線型結合して得られた全体。
(出典:Wiktionary)
“格子”の解説
格子(こうし)は周期的に並んだ区切り、仕切りのこと。格子戸、鉄格子などとして一般的にも使われる。
(出典:Wikipedia)
格
常用漢字
小5
部首:⽊
10画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“格子”で始まる語句
格子戸
格子縞
格子窓
格子門
格子口
格子越
格子戸作
格子戸造
格子先
格子組