れき)” の例文
その頃のれき学者として聞えた伊能忠敬の娘が病気した時、ばれて毎日のやうに病室に入つて往つた。
仮に棭斎が同じ日数を同じ道中に費したものとすると、棭斎の江戸を発した日も、ほゞ推知することが出来る。れきけみするに文政四年には三月が大、四月が小であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
専門たるりつれきえきのほかに道家どうかの教えにくわしくまたひろじゅぼくほうめい諸家しょかの説にも通じていたが、それらをすべて一家のけんをもってべて自己のものとしていた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ちょうど三十三年の三月十日チベットれきの二月十一日にツァーランを出立することになりました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
大陽たいやうとは日輪にちりんのことなり。大陰たいゝんとはつきのことなり。れきとはこよみのことなり。ゆゑ大陽暦たいやうれきとは日輪にちりんもとにしてたてたるこよみ、大陰暦たいゝんれきとはつきもとにしてたてたるこよみとなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
「なるほどあなたの方では太陽れきをお使いになる関係上、日曜日がお休みですな。」
茨海小学校 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
れきが社日に当つてゐたこと、隣郷に放生会があつて、神辺かんなべの街が賑つたこと、木星が月に入つたこと等が知られる。「忽覩一星排戸入。得非后羿覓妻来。」一星は木星である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)