“數萬(すまん)” の例文
新字:数万
其(そ)の暗夜(やみよ)から、風(かぜ)が颯(さつ)と吹通(ふきとほ)す。……初嵐(はつあらし)……可懷(なつかし)い秋(あき)の聲(こゑ)も、いまは遠(とほ)く遙(はるか)に隅田川(すみだがは)を渡(わた)る數萬(すまん)の靈(れい)の叫喚(けうくわん)である。……蝋燭(らふそく)がじり/\とまた滅入(めい)る。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
下界(げかい)を見(み)ると眼(まなこ)も眩(くら)むばかりで、限(かぎ)りなき大洋(たいやう)の面(めん)には、波瀾(はらん)激浪(げきらう)立騷(たちさわ)ぎ、數萬(すまん)の白龍(はくりよう)の一時(いちじ)に跳(をど)るがやうで、ヒユー、ヒユーと帛(きぬ)を裂(さ)くが如(ごと)き風(かぜ)の聲(こゑ)と共(とも)に、千切(ちぎ)つた樣(やう)な白雲(はくうん)は眼前(がんぜん)を掠(かす)めて飛(と)ぶ