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手挾
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たばさ
ふりがな文庫
“
手挾
(
たばさ
)” の例文
新字:
手挟
黒七子
(
くろななこ
)
の紋つき着流しのまま、葛籠笠を片手に、両刀を
手挾
(
たばさ
)
んで梯子段へかかる大次郎のうしろから、法外老人と千浪が送りにつづいて口ぐちに
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
二本
手挾
(
たばさ
)
む望もないが、幸ひ娘のお玉は氣象者、顏
容
(
かたち
)
も親の口からは申し憎いが先づ十人並に勝れて生れついて居る。
銭形平次捕物控:279 持参千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かれここに天の
忍日
(
おしひ
)
の命
天
(
あま
)
つ
久米
(
くめ
)
の命
二人
(
ふたり
)
、天の
石靫
(
いはゆき
)
一三
を取り負ひ、
頭椎
(
くぶつち
)
の大刀
一四
を取り佩き、天の
波士弓
(
はじゆみ
)
を取り持ち、天の
眞鹿兒矢
(
まかごや
)
を
手挾
(
たばさ
)
み、
御前
(
みさき
)
に立ちて仕へまつりき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
……だが両刀を
手挾
(
たばさ
)
む身分だ、見込んで頼むといわれては、どうも
没義道
(
もぎどう
)
に突っ放すことは出来ぬ。どうもこれは困ったぞ。……いや待てよ、この老人には、美しい娘があった筈だ。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
荒男
(
あらしを
)
のい
小箭
(
をさ
)
手挾
(
たばさ
)
み向ひ立ちかなる
間
(
ま
)
しづみ出でてと
我
(
あ
)
が来る」(巻二十・四四三〇)は「
昔年
(
さきつとし
)
の
防人
(
さきもり
)
の歌」とことわってあるが、此歌にも、「かなる間しづみ」という語が入っている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
勝色定紋
(
かちいろじょうもん
)
つきの羽二重の小袖に、茶棒縞の
仙台平
(
せんだいひら
)
の袴を折目高につけ、金無垢の
縁頭
(
ふちがしら
)
に秋草を毛彫りした見事な脇差を
手挾
(
たばさ
)
んでいる。どう安くふんでも、大身の家老かお側役といったところ。
顎十郎捕物帳:10 野伏大名
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
太田君は
紺絣
(
こんがすり
)
の単衣、足駄ばきで古い
洋傘
(
こうもり
)
を
手挾
(
たばさ
)
んで居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
砥
(
と
)
の
粉
(
こ
)
を塗つて、
隈
(
くま
)
を入れた顏、尺八を持つて一刀を
手挾
(
たばさ
)
んだ面魂は、五尺五六寸もあらうと思ふ恰幅の、共に如何樣敵役に打つて付けの油屋兼吉です。
銭形平次捕物控:063 花見の仇討
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一人娘の嫁入りの儀式に
連
(
つら
)
なる禮裝の
麻裃
(
あさがみしも
)
、兩刀を高々と
手挾
(
たばさ
)
んだのを、後ろに廻して、膝の汚れも構はず、乘物の中に手を突つ込み、娘の首を起してハツと息を呑みました。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
田屋三郎兵衞といふ
嚴
(
いか
)
めしい名は、二本
手挾
(
たばさ
)
んだ時の名をそのまゝ、器用と小祿で覺えたアルバイトの
錺
(
かざり
)
を、浪人した後の
暖簾
(
のれん
)
名、田屋の三郎兵衞と名乘つたといふことでした。
銭形平次捕物控:318 敵の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手挾
(
たばさ
)
んで居りました、若氣の過ちで、隨分我儘氣隨な振舞もいたしましたが、それはもう昔のことで——町人になつてからは、人と爭はないやうに、そればかり氣をつけて參りましたが
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蒼白い顏と、
華奢
(
きやしや
)
な身體を見ると、兩刀は
手挾
(
たばさ
)
んでも、武藝などとは縁の遠い男に見えますが、その代り眼の鋭い、鼻の高い、細面の唇のよく締つた、如何にも智慧と意志を思はせる顏立ちです。
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは、若くて貧乏臭くさへありましたが、短いのを前半に
手挾
(
たばさ
)
んで、長いのは木戸のあたりで、鞘ごと腰から拔き、右手に持添へて小腰を屈めたあたりは、なか/\に、好感の持てるたしなみです。
銭形平次捕物控:255 月待ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
挾
部首:⼿
10画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭