意気込いきご)” の例文
旧字:意氣込
かれは、ごろ敬慕けいぼするやまだけに、姿すがたえなかったけれど、わかれをしむよう、あたまげました。もなく、汽車きしゃがきたので、意気込いきごんで、それへりました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そういえば、食後には、催促さいそくされてもふしぎにだれも理屈を言いだすものがなかったね。ひる間の意気込いきごみとはまるでちがっているんで、あの時はぼくも意外だったよ。」
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
天守てんしゆ五階ごかいから城趾しろあと飛下とびおりてかへらう! 意気込いきごみで出懸でかけたんだ、実際じつさいだよ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
村会に於てはまた、大多数を以て墓地排斥の建議案を通過するぞと意気込いきごむ。それから連判れんぱんの陳情書を東京府庁へ出すとて余にも村民の一人として賛成を求めて来た。昨朝の事である。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
またその反対はんたいの例をしるせば、生麦事件なまむぎじけんにつき英人の挙動きょどう如何いかんというに、損害要求そんがいようきゅうのためとて軍艦を品川に乗入のりいれ、時間をかぎりて幕府に決答けっとううながしたるその時の意気込いきごみは非常ひじょうのものにして
ところが法王は少しもひるむ気色なく、いつでも我が国では英国と合戦をやるというような意気込いきごみで、誠に愉々快々ゆゆかいかいとして豪傑ごうけつの本色を表わして居ったというて、感心して居った人がありました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
今日こそ何んでも、という意気込いきごみであった。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)