意気組いきぐみ)” の例文
旧字:意氣組
よし解らないにしても気高けだかい心持に支配されて、そちらの方へ動いて行こうとする意気組いきぐみいやしいところの見えるはずはありません。私はKの説に賛成しました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
双六谷すごろくだにへは、翌早朝よくさうてう意気組いきぐみ今夜こんや二世にせかけた勝敗しようはいしに、たゞむつまじいのであらうとおもふ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それを考えたらむしろ国費を以て良乳を廉価に供給すべしとこう申した処が到底行われませんけれども政府の当局者はその位な意気組いきぐみを以て牛乳事業を監督してもらいたいものです
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
明日の晩でも構わんという向うの親たちの意気組いきぐみだけれども、大原君の父が故障を言って、にしろ人生の大事だからしかるべき媒妁人ばいしゃくにんを立てて吉日良晨きちにちりょうしんえらんで立派に婚礼させたい
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
すで鬼神きじん感応かんおうある、芸術家げいじゆつかたいして、坊主ばうず言語げんご挙動きよどうは、なんとなくぎたやうにおもはれたから……のまゝかたそびやかして、かゞやほしつて、たゞちにひたひかざ意気組いきぐみ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お登和嬢の身が片付いていれば僕も安心して海外に往っていられる、場合によれば五年でも十年でも長くいられるだけ彼地かのちにいたいと大原君は海外で独身生活をしようという位の意気組いきぐみだ。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
そのくらい意気組いきぐみですから料理法に長じた女房を持ちたいと思っていました。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)