悲慘みじめ)” の例文
新字:悲惨
かれ悲慘みじめせま小屋こやには藥鑵やくわん茶碗ちやわんとそれから火事くわじ夕方ゆふがたとなり主人しゆじんがよこしたあたらしい手桶てをけとのみで、よるよこたへるのに一まい蒲團ふとんもなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
可愛い兒供こどもの生れた時、この兒も或は年をつてから悲慘みじめ死樣しにざまをしないとも限らないから、いつそ今斯うスヤ/\と眠つてるうちに殺した方がいゝかも知れぬ、などと考へるのは
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
卯平うへい悲慘みじめ燒小屋やけごやおもふと、自分じぶん與吉よきちとも失錯しくじつたことが自分じぶんくるしめてひどつらかつた。かれにはかしかめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かれ悲慘みじめ自分じぶん自分じぶんいぢめてやるやうな心持こゝろもちを一ぱうにはつた。一ぱうにはまた無智むち彼等かれら伴侶なかまくするやうにかれ持病ぢびやう平癒へいゆほとけいのつたのでもあつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)