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しよげ
ふりがな文庫
“
悄氣
(
しよげ
)” の例文
新字:
悄気
「どうしたの?」と彼は
訊
(
たづ
)
ねた——「すつかり
悄氣
(
しよげ
)
てしまつて。本當にあの子を連れて行きたいの? あの子が殘されるのが辛いの?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
彼は
悄氣
(
しよげ
)
切つた調子になつて、云つた。そして呼吸苦しさから、輕い痙攣を感じ出したらしい手附きして、機械的に盃を唇に運んでゐた。
奇病患者
(旧字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
半刻ばかりの後、八丁堀組屋敷で、與力笹野新三郎の前に錢形の平次ともあらう者が、すつかり
悄氣
(
しよげ
)
返つて坐つて居りました。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
寂しがりの弱虫だから、失職の打撃の後の正月を、さぞかし
悄氣
(
しよげ
)
て暮らして居る事だらう。今から行つて誘ひ出して、晩には一ぱい飮まうかな。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
其でも滅多と欝いだり
悄氣
(
しよげ
)
たりしてゐるやうなことはなかツたが、何うかするとツク/″\と
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
相手は何處迄も御人好の御坊ちやまの、泣き出し相に、なさけない顏でおろおろして居るまだるつこさ、芳公の啖呵も折角、響が來ないので、聊か之も張合なさの
悄氣
(
しよげ
)
た
體
(
てい
)
。
二十三夜
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
其後二度許り竹山を訪ねて來たが、一度はモウ節季近い凩の吹き荒れて、灰色の雲が低く軒を掠めて飛ぶ
不快
(
いや
)
な日で、野村は「患者が一人も來ない。」と云つて
悄氣
(
しよげ
)
返つて居た。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
おや/\
前勘
(
まへかん
)
か。
否
(
いな
)
、
然
(
さ
)
うでない。……
特
(
とく
)
、
一
(
いち
)
、
二
(
に
)
、
三等
(
さんとう
)
の
相場
(
さうば
)
づけである。
温泉
(
をんせん
)
の
雨
(
あめ
)
を
掌
(
たなごころ
)
に
握
(
にぎ
)
つて、
我
(
わ
)
がものにした
豪儀
(
ごうぎ
)
な
客
(
きやく
)
も、ギヨツとして、
此
(
こ
)
れは
悄氣
(
しよげ
)
る……
筈
(
はず
)
の
處
(
ところ
)
を……
又
(
また
)
然
(
さ
)
うでない。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
悄氣
(
しよげ
)
ちや駄目ですよ、しつかりなさいな」
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
と
悄氣
(
しよげ
)
てゐる少年に對して、實業家と稱される種類の人間の屡々口癖にいふやうなせりふ迄口の外に出した。
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
八五郎一ぺんに
悄氣
(
しよげ
)
て了ひました。河内山の芝居でも解る通り、寛永寺の役僧は見識のあつたもので、町方の御用聞などは、指も差せるものではありません。
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あまりひどく
悄氣
(
しよげ
)
込んでるので、もう二三
言
(
こと
)
云ふと涙が出さうです——それ、もうそこに、キラ/\光つて、濕つて、
一滴
(
ひとしづく
)
睫
(
まつげ
)
からこぼれて敷物の上に落ちた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
俺れは其爲め一文も學資を出さぬから、お前はお前の力で遣れと云つたやうな、皮肉な許しであつたので、少しは
悄氣
(
しよげ
)
たが、それでも好きな道だから何うしても遣り遂げるといふ決心をした。
自伝
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「そして、少しばかり
悄氣
(
しよげ
)
てね。」と彼は云つた。「どうしたのです? 云つて御覽なさい。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
東京に着いて、母や弟妹や、親類友だちに久々で逢ふ時、自分はもう
悄氣
(
しよげ
)
てゐた。誰しも自分を異常なる出來事の主人公と見做してゐるらしく思はれてしかたがなくなつた。
貝殻追放:002 新聞記者を憎むの記
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
納屋へ入ると、仁助と吉三郎は足止めを喰つて、すつかり
悄氣
(
しよげ
)
返つて居ります。
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御影
(
みかげ
)
の田原の家はひつそりして、あるじの
悄氣
(
しよげ
)
てゐるのに引込まれ、子供達迄つまらない姿をしてゐるだらうと想像してゐたのにひきかへ、方々の酒藏の間をぬけて海邊に出ると
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
二度目にがつかりして兼吉が來た時、平次は日頃にもなく
悄氣
(
しよげ
)
て
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は本當に
悄氣
(
しよげ
)
て居る樣子でした。
銭形平次捕物控:027 幻の民五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
清吉はひどく
悄氣
(
しよげ
)
返りました。
銭形平次捕物控:102 金蔵の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
悄
漢検1級
部首:⼼
10画
氣
部首:⽓
10画
“悄”で始まる語句
悄然
悄気
悄
悄々
悄気返
悄乎
悄沈
悄気切
悄気方
悄衰