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応
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いら
ふりがな文庫
“
応
(
いら
)” の例文
旧字:
應
然し、その理由を是非にも聴こうとする衝動には、可成り悩まされたけれども、杉江はただ
従順
(
すなお
)
に
応
(
いら
)
えをしたのみで、離れを出た。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
グッと、身を斜めに、かごに、重みをかけて、今にも、やわ作りの乗物を、踏み抜こうやに見せかけたが、相手は、なおも、
応
(
いら
)
わなかった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
用意洩れなく
準
(
ととの
)
えて待ち受けていべきはずの与惣次が——? 小太郎は首を捻って、勘次ともどもまた激しく戸を打ったが、何の
応
(
いら
)
えもない。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
口は半ばほころびてゐたが、なんの
応
(
いら
)
へもない。あたりには蠅の羽音ひとつ聞えぬ。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
只「そういうお心細いような折こそ、どうぞこれからは私を頼りになすって戴きたいものです。そんなものなんぞ、私は少しもこわがりはいたしませんから——」と
応
(
いら
)
えるばかりで
ほととぎす
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
ひそかに部屋の戸を開きて外に
出
(
いづ
)
れば
悽惻
(
せいそく
)
として情人未だ去らず、泣いて遠国に
連
(
つれ
)
よとくどく時に、清十郎は親方の
情
(
なさけ
)
にしがらまれて得
応
(
いら
)
へず、然るを女の狂愛の甚しきに
惹
(
ひ
)
かされて
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
大なる森の中で、農園から農園へと、吠え声は休みなく
応
(
いら
)
え合っていた。夜は騒々しかった。そういうときに眠るのは容易でなかった。風は多くの不正の反響を空中に運び回っていた。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ふるい家が、鷹揚に軋んで、それに
応
(
いら
)
へしてゐるのが、聴きとれる。ふかい夜を。
独楽
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
われ思はず方丈の窓を引き開きて言葉鋭く、何事をするぞと問ひ
詰
(
なじ
)
りしに、馬十かたの如く振り返り、愚かしき眼付にてわれを見つめつゝ、もや/\と
嘲
(
あざ
)
み笑ふのみ。
頓
(
とみ
)
には
応
(
いら
)
へもせず。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いつまで待ってればよいのやら、更に見当がつかなかった。しまいに谷山は焦れだして、小さな石を一つ二階の雨戸に投げつけてみた。何の
応
(
いら
)
えもなかった。身体がぞくぞく冷えきっていった。
神棚
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
心に思ひ給ふこと
応
(
いら
)
へ給ひね、洩れなくと
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
既に君の心が
応
(
いら
)
えたることのみなりき。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
わたしの
内部
(
なか
)
で 強気に さう
応
(
いら
)
へするもののこゑがしてゐる
独楽
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
応
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
“応”を含む語句
饗応
相応
応答
応対
手応
反応
感応
応酬
応接間
応接
応身
否応
応援
一応
応接室
応揚
因果応報
御饗応
不相応
応報
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