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みたち
ふりがな文庫
“
御館
(
みたち
)” の例文
若人等は、この頃、氏々の
御館
(
みたち
)
ですることだと言って、
苑
(
その
)
の池の蓮の茎を切って来ては、
藕糸
(
はすいと
)
を引く工夫に、一心になって居た。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
京都に於て、当時第一の名門であつた、
比野大納言資治卿
(
ひのだいなごんやすはるきょう
)
(仮)の
御館
(
みたち
)
の内に、
一日
(
あるひ
)
偶
(
ふ
)
と
人妖
(
じんよう
)
に
斉
(
ひと
)
しい奇怪なる事が起つた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
侍女は上眼づかひに「
御館
(
みたち
)
に残らるるは上の姫様だけ」と答へる。「ジェイン様か、それは。」碩学の肉づきのいい
額
(
ひたい
)
を、かすかに
若皺
(
わかじわ
)
が寄る。
ジェイン・グレイ遺文
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
われは物語の昔日の
過
(
あやまち
)
に及ばんことを
慮
(
おもんぱか
)
りしに、この
御館
(
みたち
)
を遠ざかりたりしことをだに言ひ出づる人なく、老公は優しさ舊に倍して我を
欵待
(
もてな
)
し給ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
我等の居りし處は
御館
(
みたち
)
の
廣間
(
ひろま
)
にあらず
床
(
ゆか
)
粗
(
あら
)
く光乏しき天然の
獄舍
(
ひとや
)
なりき 九七—九九
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
▼ もっと見る
足達者なものはよい
銭稼
(
ぜにかせ
)
ぎを与えようぞ、
御館
(
みたち
)
の丘へ集まれ、とのこと。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
若人等は、この頃氏々の
御館
(
みたち
)
ですることだと言つて、苑の池の蓮の茎を切つて来ては、
藕絲
(
はすいと
)
を引く工夫に一心になつて居た。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
卑俗な
譬
(
たとえ
)
だけれど、
小児
(
こども
)
が何とかすると町内を三
遍
(
べん
)
廻らせられると言つた形で、此が大納言の
御館
(
みたち
)
を騒がした狂人であるのは言ふまでもなからう。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
別
(
わかれ
)
の舞踏會は
御館
(
みたち
)
にて催されぬ。われは姫の最後に色ある
衣
(
きぬ
)
を着け給ふを見き。是れ人々の
生贄
(
いけにへ
)
の
羔
(
こひつじ
)
を飾れるなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この
御館
(
みたち
)
も、古いおところだけに、心得のある
長老
(
おとな
)
の一人や、二人は、難波へも下らずに、留守に居るので御座りましょう。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
作者は、
委
(
くわ
)
しく知らないが、
此
(
これ
)
は事実ださうである。
他
(
た
)
に
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
の影もない。比野卿の
御館
(
みたち
)
の
裡
(
うち
)
に、此の時卿を迎ふるのは、
唯
(
ただ
)
此の
方
(
かた
)
たちのみであつた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今宵はとおもはれし日の
午過
(
ひるす
)
ぎて、われは羅馬の
御館
(
みたち
)
に參りしに、檀那はチヲリに往き給ひし後なりき。歸りて見れば、母は息絶えたり。言ひ
畢
(
をは
)
りて、ピエトロは手もて面を
掩
(
おほ
)
ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この
御館
(
みたち
)
でも、
蚕
(
かふこ
)
は飼つて居た。現に刀自たちは、夏は殊にせはしく、
不譏嫌
(
ふきげん
)
になつて居ることが多い。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
身狭乳母
(
むさのおも
)
の思ひやりから、男たちの多くは、唯さへ小人数な奈良の
御館
(
みたち
)
の番に行けと言つて還され、
長老
(
おとな
)
一人の外は、唯
雑用
(
ざふよう
)
をする童と
奴隷
(
やつこ
)
位しか残らなかつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
其より外には、
方
(
ほう
)
もつかなかった。奈良の
御館
(
みたち
)
の人々と言っても、多くは、此人たちの意見を聴いてする人々である。よい思案を、考えつきそうなものも居ない。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
館
常用漢字
小3
部首:⾷
16画
“御館”で始まる語句
御館所