御酒みき)” の例文
朝夕あさゆう存じながら、さても、しんしんと森は深い。(樹立こだちを仰いで)いずれもれよう、すぐにまたはれ役者衆やくしゃしゅうじゃ。と休まっしゃれ。御酒みきのお流れを一つ進じよう。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
韓国からくにらはしてかへ丈夫武男ますらたけを御酒みきたてまつる 〔巻十九・四二六二〕 多治比鷹主
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その時大楯の妻はかのメトリの王の玉の腕飾を自分の手に纏いて參りました。そこで皇后いわの姫の命が、お手ずから御酒みきかしわの葉をお取りになつて、氏々の女どもに與えられました。
主人がたのとうの中将がさかずきを御前へ奉り、膳部を進めた。宮は次々に差し上げる盃を二つ三つお重ねになった。薫が御前のお世話をして御酒みきをお勧めしている時に、宮は少し微笑をおらしになった。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この石はきわめて神聖なもので用いる場合には日に幾度か御酒みきを石に注ぎかけてやる。そうせぬと石がけっして動かなくなるものだと信じるからである。またまったく石もそのとおりであるらしい。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)
瓶子へいじとらせ御酒みきはたぶなり御さかづき持つ手ふるへて泣きをりわれは
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
作法の真似事をし、重吉に新年の祝儀を述べ、形ばかりの膳に向って御酒みき代りの水で盃をまわしはじめたが、水盃というのは不吉な時にかぎってするものだから、気を悪くしてものをいうものもない。
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
人麻呂の御像みかたのまへに机すゑともしびかかげ御酒みきそなへおく
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
点心とはいえ御酒みきも出る。
あら御酒みきの泡もとめす
わなゝき (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
(ねえ、助けておくんなさいな、お御酒みきを頂いたもんだからね、声が続かねえんで、えへ、えへ、)
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はじめ難波の宮においでになつた時に、大嘗の祭を遊ばされて、御酒みきにお浮かれになつて、おやすみなさいました。ここにスミノエノナカツ王が惡い心を起して、大殿に火をつけました。
瓶子へいじとらせ御酒みきはたぶなり御さかづき持つ手ふるへて泣きをりわれは
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
(ええ、お御酒みきを頂きまして声が続きません、助けてっておくんなさい。)
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この御酒みきおみもささげて醉ひにけりゆるしたばりて歌ひけりのどに
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
この御酒みきは わが御酒ならず。
(ええ、お御酒みきを頂きまして声が続きません、助けてっておくんなさい。)
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この御酒みきおみもささげて酔ひにけりゆるしたばりて歌ひけりのどに
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
まつし 御酒みき