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弱竹
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なよたけ
雨の
日のつれ/″\に、
佛、
教へてのたまはく、
昔某の
國に
一婦ありて
女を
生めり。
此の
婦恰も
弱竹の
如くにして、
生れし
女玉の
如し。
きわめて弱い人が強さをしいてつけているのは
弱竹のようで、さすがに折ることはできなかった。
これは「人生婦人の身と
為る
勿れ、百年の苦楽他人に
頼る」とか、女は
氏なくして玉の
輿とかいう如き、東洋流の運命観から出た、
弱竹の弱々しい頼他的根性から来たのである。
庭はさながら
花野也。
桔梗、
刈萱、
女郎花、
我亦紅、
瑠璃に
咲ける
朝顏も、
弱竹のまゝ
漕惱めば、
紫と、
黄と、
薄藍と、
浮きまどひ、
沈み
靡く。