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弥立
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よだ
ふりがな文庫
“
弥立
(
よだ
)” の例文
旧字:
彌立
強き光に打たれなば、消えもやせんと見えけるが、今泰助等を見たりし時、物をも言わで
莞爾
(
にっこり
)
と白歯を見せて笑める様は、身の毛も
弥立
(
よだ
)
つばかりなり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕は下宿屋や学校の寄宿舎の「まかない」に
饑
(
うえ
)
を
凌
(
しの
)
いでいるうちに、身の毛の
弥立
(
よだ
)
つ程厭な菜が出来た。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あれ程までに
足掻
(
あが
)
きつ
踠
(
もが
)
きつして穿鑿しても解らなかった
所謂
(
いわゆる
)
冷淡中の一
物
(
ぶつ
)
を、今訳もなく造作もなくツイチョット突留めたらしい心持がして、文三覚えず身の毛が
弥立
(
よだ
)
ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
節々
(
ふし/″\
)
の痛みが
夥
(
おびたゞ
)
しく毛穴が
弥立
(
よだ
)
って、五臓六腑
悩乱
(
のうらん
)
致し、ウーンと立上るから女房は驚いて居ると、喜助は苦しみながら台所へ這い出してガーと血の塊を吐いて身を震わして居る。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夜も
更
(
ふ
)
けて来るにつれ、寝苦しく物に襲われるようで、戸棚を
囓
(
かじ
)
る鼠も怖しく、遠い人の叫とも寂しい水車の音とも
判
(
つ
)
かぬ冬の夜の声に身の毛が
弥立
(
よだ
)
ちまして、一旦吹消した豆
洋燈
(
ランプ
)
を点けて
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
お俊の説明を聞きて彼は
漫
(
そぞろ
)
に
身毛
(
みのけ
)
の
弥立
(
よだ
)
つを覚えつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
実際、そんな目に逢って、一生忘れられん
思
(
おもい
)
をした事があるからだよ。いや、考えても身の毛が
弥立
(
よだ
)
つ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私に何を
談
(
はな
)
すのだろう、私に何を話すのだろう。鳥がものをいうと
慄然
(
ぞっ
)
として身の毛が
弥立
(
よだ
)
った。
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
婦人は予を
凝視
(
みつ
)
むるやらむ、一種の電気を
身体
(
みうち
)
に感じて
一際
(
ひときは
)
毛穴の
弥立
(
よだ
)
てる時、彼は得もいはれぬ声を
以
(
も
)
て「藪にて見しは
此人
(
このひと
)
なり、テモ暖かに寝たる事よ」と
呟
(
つぶや
)
けるが、まざ/\と
聞
(
きこ
)
ゆるにぞ
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
弥
常用漢字
中学
部首:⼸
8画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“弥”で始まる語句
弥
弥生
弥陀
弥撒
弥次馬
弥勒
弥次
弥々
弥縫
弥増