弁天べんてん)” の例文
だツて紳士程しんしほど金満家きんまんかにもせよ、じつ弁天べんてん男子だんし見立みたてたいのさ。とつてると背後うしろふすまけて。浅「ぼく弁天べんてんです、ぼく弁天べんてんさ。 ...
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
最前、ここをだしてくれなければ、火をつけるぞとあくたれをいていた、その弁天べんてんさまのほうへ、声をしぼって救いをよんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もう鵜島がめえてきました。松が青くめいましょう。ごろうじろ、弁天べんてんさまのお屋根がすこしめいます。どうも霧が深うなってめいりました」
河口湖 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
日和ひよりおりなどにはわたくしはよく二三の腰元こしもとどもにかしずかれて、長谷はせ大仏だいぶつしま弁天べんてんなどにおまいりしたものでございます。
ヘエ——その京屋の下女、——と言っても弁天べんてん様が仮に姿をやつしたような、お鈴という綺麗なのが、普賢菩薩ふげんぼさつの木像をしかと胸に掻い込んで元柳橋からドブンとやらかしたんで。
で、主君の勝家からいとまをもらって、いくたの戦場をたずね、やがて竹生島の弁天べんてんやしろにそって、この可愛御堂を建立こんりゅうした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まア富貴楼ふつきらうのおくらさんかね、福分ふくぶんもあり、若い時には弁天べんてんはれたくらゐ別嬪べつぴんであつたとさ、たく横浜よこはま尾上町をのへちやうです、弁天通べんてんどほりと羽衣町はごろもちやうちかいから、それに故人こじん御亭主ごていしゆかめさんとふからさ。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かえせ、帰せ、かえしてくれ! 帰さねえと、いまに弁天べんてんさまへ火をつけるぞッ!
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時に困るのは弁天べんてんでせう。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
道理で、五重の塔がある、淡島あわしま堂がある。弁天べんてん山の鐘楼しょうろうがある。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)