度度たびたび)” の例文
河野はそれを初めとして、その後も度度たびたび葛城山へ登り、吉野へも往って照道寿真に面会した。照道寿真もまた時どき河野の家へやって来た。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その例には女子教育家であって度度たびたび女子問題に御説をいだされる三輪田元道みわたもとみち先生などを引くのが都合が宜しいと存じます。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
小さい子供の泣声や咳をする声などが夜中に度度たびたびしたので、上の寝台ねだいへ来たのは子持の婦人らしいと思つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
たい中根なかね平素へいそけつして成績佳良せいせきかりやうはうではなかつた。おれ度度たびたびきびしい小言こごとつた。が、人間にんげん眞面目しんめんもく危急ききふさいはじめてわかる。おれ中根なかね眞價しんか見誤みあやまつてゐた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
今までにも二人は度度たびたび行きたかったのであるが、夫妻の仕事がい違ったり、子供に手数がかかったりして、一家引きつれての関西行の機会はなかなか来なかった。
比叡 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そうして度度たびたびうなされては私に呼びさまされて ありがとう(国風にがの字にアクセントをつけて) 牛にぼわれた(追われた) なぞといった。よくそんな夢をみるのだった。
母の死 (新字新仮名) / 中勘助(著)
しかり、われもまた度度たびたびしかく感じたりき。
呼子と口笛 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼は自分のもと度度たびたび来たのでは無かつたが、彼は善く自分の製作を観て自分の芸術の精神を領解した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
私の度度たびたび述べることですが、特に「女の読物」として書かれた低級な物ばかりを読むのは、大人が子供のお伽話とぎばなしを読みふけるのと同じく、自分をわざわざ低能化しつつあるのだと思います。
婦人改造と高等教育 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
「お手紙度度たびたびありがとうございました」と礼をのべた。
厨房日記 (新字新仮名) / 横光利一(著)
しかり、われもまた度度たびたびしかく感じたりき。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
赤塚氏例のごと見舞ひ給ひ、今日けふ陸にての買物のしくじりなど真面目まじめに語られさふらふ。この夜中よなかには船の度度たびたびとゞまれるを感じ申しさふらふ。ゆきちがひになる船のためにかさふらひけん。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
度度たびたび死ぬ目に遭つてゐながら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)