幾時間いくじかん)” の例文
幾時間いくじかんたっても彼はあきなかった。はははそれを気にもとめなかったが、やがて、たまらなくなって、ふいにしかりつけるのだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
人跡ひとあと絶えた山道には、人力車の通うすべもなかったので、二人の若い男女は、たがいに助け合いながら、蔦葛つたかずらう細道を、幾時間いくじかんとなくさまよい歩いた。
かれさむさがほねてつするのことを明瞭めいれうあたまうかべて判斷はんだんするのには氣候きこう變化へんくわあまりに急激きふげきであつた。かれあひだ人事不省じんじふせい幾時間いくじかん經過けいくわした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
君らは、君ら自身の幾時間いくじかんかの体験によって、室長の必要を感じ、その制度を作り、その人選をすることになった。そうしてできあがった室長は、よかれあしかれ、君ら自身のものだ。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それから幾時間いくじかんねむつたからぬが、不意ふゐわたくし枕邊まくらもと
彼等かれらのしをらしいものはそれでも午前ごぜん幾時間いくじかん懸命けんめいはたらいてちゝなるものゝ小言こごとかぬまでにうまやそばくさんでは、午後ごご幾時間いくじかん勝手かつてつひやさうとする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)