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ねんあま
落城後それが
何年になるかと
仰ッしゃるか——それは
漸く一
年余り
私が三十四
歳の
時でございました。まことに
短命な、つまらない一
生涯でありました。
坂上田村麻呂は
今から千
年余りも
昔、
桓武天皇が
京都にはじめて
御所をお
造りになったころ、
天子さまのお
供をして
奈良の
都から
京の
都へ
移って
来たうちの
一人でした。
私などは
帰幽後四百
年余りで、さして
新らしい
方でも、
又さして
古い
方でもございませぬ。
自分では一
切夢中で、さほどに
永いとも
覚えませんでしたが、
後でお
爺さまから
伺いますと、
私の
岩屋の
修行は
現世の
年数にして、ざっと二十
年余りだったとの
事でございます。