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対坐
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たいざ
ふりがな文庫
“
対坐
(
たいざ
)” の例文
旧字:
對坐
その骨格のたくましいところは先代吉左衛門に似て、
膝
(
ひざ
)
の上に置いた手なぞの大きいことは、
対坐
(
たいざ
)
するたびに勝重の心を打つ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
津田は心の中で、この叔父と妹と
対坐
(
たいざ
)
した時の様子を想像した。ことによるとそこでまた
一波瀾
(
ひとはらん
)
起したのではあるまいかという
疑
(
うたがい
)
さえ出た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実際に使うのは
稀
(
まれ
)
に来客のあった場合、それもよくよく寒い日に限り、平素は
火鉢
(
ひばち
)
だけだったので、幸子は正月年始に行って姉と
対坐
(
たいざ
)
していると
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すぐ目の前で悟浄があわてて立上がり、
礼拝
(
らいはい
)
をするのを、見るでもなく見ぬでもなく、ただ二、三度
瞬
(
まばた
)
きをした。しばらく無言の
対坐
(
たいざ
)
を続けたのち悟浄は恐る恐る口をきいた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
その
部屋
(
へや
)
から、なかば身をさしだして、音のした池の
面
(
も
)
をながめたのは、
館
(
やかた
)
の
菊亭右大臣晴季公
(
きくていうだいじんはるすえこう
)
で、そのまえには、さっきの
僧
(
そう
)
のひとりが
対坐
(
たいざ
)
し、ふたりの僧は、
末
(
すえ
)
のほうにひかえているらしかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
しばらく半蔵はその日の来意を告げることを
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した。というのは、
対坐
(
たいざ
)
する和尚の沈着な様子が容易にそれを切り出させないからであった。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
健三は時々
宅
(
うち
)
へ話しに来る青年と
対坐
(
たいざ
)
して、晴々しい彼らの様子と自分の内面生活とを対照し始めるようになった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
装
(
よそお
)
っても
嗅
(
か
)
ぎ付かれずにはいないものだが佐助が同門の
後輩
(
こうはい
)
となってからは以前のように夜更けるまで
対坐
(
たいざ
)
する機会もなく時折兄弟子の格式をもっておさらいを
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
で——いまもその市松とふたりきりで
対坐
(
たいざ
)
していたので
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は友人と
対坐
(
たいざ
)
でもするように、香蔵の日記を繰り返してそこにいない友人の前へ自分を持って行って見た。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お延とお秀が
対坐
(
たいざ
)
して戦っている間に、病院では病院なりに、また独立した予定の事件が進行した。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と云って冷麦の
丼
(
どんぶり
)
が運び込まれたあとで、幸子だけが打ち合せのために母屋の方の一と間へ呼ばれて、未亡人と
対坐
(
たいざ
)
したが、正直のところ、彼女は五分か十分も話を聞いているうちに
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
時間の価値というものを少しも認めないこの姉と
対坐
(
たいざ
)
して、
何時
(
いつ
)
までも、べんべんと
喋舌
(
しゃべ
)
っているのは、彼にとって多少の苦痛に違なかった。彼は
好加減
(
いいかげん
)
に帰ろうとした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
相も変らず飾ってあるのを
眺
(
なが
)
めながら姉と
対坐
(
たいざ
)
したことであったが、今年六つになる梅子を除いて、上の子供たちは皆学校へ行く年頃になっているので、家の中は昔のように騒がしくはなかった。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
姉はまた非常に
饒舌
(
しゃべ
)
る事の
好
(
すき
)
な女であった。そうしてその喋舌り方に少しも品位というものがなかった。彼女と
対坐
(
たいざ
)
する健三はきっと苦い顔をして黙らなければならなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
黙然
(
もくねん
)
として、
対坐
(
たいざ
)
していた圭さんと碌さんは顔を見合わして、にやりと笑った。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
家庭の一員として暮した事のない私のことだから、深い消息は無論
解
(
わか
)
らなかったけれども、座敷で私と
対坐
(
たいざ
)
している時、先生は何かのついでに、
下女
(
げじょ
)
を呼ばないで、奥さんを呼ぶ事があった。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
対
常用漢字
小3
部首:⼨
7画
坐
漢検準1級
部首:⼟
7画
“対”で始まる語句
対
対手
対峙
対岸
対馬
対向
対蹠的
対蹠
対照
対句