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媚薬
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びやく
ふりがな文庫
“
媚薬
(
びやく
)” の例文
旧字:
媚藥
たった一人、ウイスキーに酔った一人の青年が、言葉の響を娘にこすりつけるようにして、南洋特産と
噂
(
うわさ
)
のある
媚薬
(
びやく
)
の話をしかけた。
河明り
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
これが
不審
(
ふしん
)
といえば、不審だったが、ナブ・アヘ・エリバは、それも文字の霊の
媚薬
(
びやく
)
のごとき
奸猾
(
かんかつ
)
な
魔力
(
まりょく
)
のせいと見做した。
文字禍
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
さればこそ
潘
(
はん
)
爺
(
じい
)
さんの酒へは微量な眠り薬を
混
(
こん
)
じ、巧雲へすすめたお
銚子
(
ちょうし
)
のものへは
媚薬
(
びやく
)
を入れてあったのだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……」私は黙って
肯
(
うなず
)
いた。それは例の
媚薬
(
びやく
)
などを入れた密造酒のことを指すのであろう。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
思わず、三人とも異口同音に、低く
呻
(
うめ
)
いた。そのなかは、まるで春のように明るく、暖かく、気のせいか、何か
媚薬
(
びやく
)
のように甘い、
馥郁
(
ふくいく
)
たる
香気
(
こうき
)
すら
漾
(
ただよ
)
っているのが感じられた。
鱗粉
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
▼ もっと見る
が、
気疾
(
きばや
)
に
頸
(
くび
)
からさきへ
突込
(
つっこ
)
む目に、何と、
閨
(
ねや
)
の枕に小ざかもり、
媚薬
(
びやく
)
を
髣髴
(
ほうふつ
)
とさせた道具が並んで、
生白
(
なまじろ
)
けた雪次郎が、しまの
広袖
(
どてら
)
で、
微酔
(
ほろよい
)
で、夜具に
凭
(
もた
)
れていたろうではないか。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
媚薬
(
びやく
)
取り出しこころみし
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
吹けよ、また
媚薬
(
びやく
)
の嵐。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
嘆きや悲しみさえも
小唄
(
こうた
)
にして、心の傷口を洗って呉れる。
媚薬
(
びやく
)
の
痺
(
しび
)
れにも似た中欧の青深い、初夏の晴れた空に、夢のしたたりのように、あちこちに咲き
迸
(
ほとばし
)
るマロニエの花。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
舟も揺れ頃、潮も上がる時分とみたら、わたしがその日、たんまりお酒に
媚薬
(
びやく
)
を入れて、眼合図でおすすめしましょう。そしてわたしは買物に出て行っちまう。あとは旦那の腕しだい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吹けよ、また
媚薬
(
びやく
)
の嵐。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“媚薬”の解説
媚薬(びやく、英語:aphrodisiac)とは、主に性欲を高めさせたり、恋愛感情を起こさせるような薬を言う。惚れ薬とも称される。又、感度を高めるのにも使う。
(出典:Wikipedia)
媚
漢検1級
部首:⼥
12画
薬
常用漢字
小3
部首:⾋
16画
“媚”で始まる語句
媚
媚態
媚笑
媚色
媚茶
媚言
媚々
媚藥
媚沢山
媚態的