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婚儀
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こんぎ
見染て來たといふは此
上もなき
大幸なれば御苦勞ながら
管伴どの
明日にも先の
家へ行き身元正しき者ならば
婚儀を
かへ
品をかふれど
袖の
涙晴れんともせず
兎もすれば
我も
倶にと
決死の
素振に
油斷ならず
何はしかれ
命ありての
物だねなり
娘の
心落附かすに
若くはなしと
押しては
婚儀を
カピ長
婚儀の
爲にと
準備した一
切が
役目を
變へて
葬儀の
用。
祝ひの
樂は
哀しい
鐘の
音、めでたい
盛宴が
法事の
饗應、
樂しい
頌歌は
哀れな
挽歌、
新床に
撒く
花は
葬る
死骸の
用に
立つ。