ぱじ)” の例文
船が印度洋を通りかゝつた頃、青年将校は苦力とまかなひ方との間に激しい喧嘩がおつぱじまつてゐるのに気がいた。賄ひ方は広東カントン人だつた。
そこへ戦争がおっぱじまった。×××の方の連隊へも夫々動員令下った。秋山さんは自分じゃもう如何どうしてもいくさに行くつもりで、服なども六七ちゃくこしらえる。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「だれだじゃねえや、てえへんなことがおっぱじまったんだ。子丑寅ねうしとらもなんにもあったもんじゃねえ。あしたッから、うちの小屋こやかねえかもれねえぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「うわアい! 新田しんでんの次郎作どんや、ちょっくら突ん出て見なせえや! いくさかおっぱじまっただアよ」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
黙って人の物を出して使ったって泥坊と云う理合りあい何処どこるかと、喧嘩をおっぱじめたというわけさ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「何と云つてもまだあの青二才で」とたかくゝつて見てゐるらしく思はれた諸侯達を、就職のとつぱじめから度胆を抜いてくれようと思つてゐた若将軍の切支丹に対する処置の酷烈さと
そのうちに今度の戦争がぱじまったものだから、もう露西亜も糞もあったものじゃねえ、日本の猟船はドシドシコマンドルスキー辺へもやって来るという始末で、島から救い出されると
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
俄然合唱がおっぱじまった。誰も彼も愉快そうに、一生懸命に歌い出した。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
塞耳維セルビア土耳其トルコ紛紜いきさつから、もしか戦争でもおつぱじまるやうだつたら、筆一本でやかましく主戦論を吹き立てた人達だけで、別に中隊を組織して、一番前線にそれを使ふ事にしたい