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しよつちゆう
ふりがな文庫
“
始終
(
しよつちゆう
)” の例文
彼女は
始終
(
しよつちゆう
)
笑つてゐた。その笑はあてこすつたやうな笑で、彼女の
弓形
(
ゆみがた
)
をした高慢な唇にたえず漂つてゐる表情もまた同じであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
片目の小さい、
始終
(
しよつちゆう
)
唇を
甜
(
な
)
め廻す癖のある、鼻の先に新聞記者がブラ下つてる様な
挙動
(
やうす
)
や物言ひをする、
可厭
(
いや
)
な男であつた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
また
始終
(
しよつちゆう
)
何か考へてゐるやうな顏をしてゐる十萬に近い町の民も、家も樹も川も一ツとして彼の心を刺戟する物が無かツた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
世間には三年
打捨
(
うつちや
)
つておいても、髪の毛一本伸びないやうな頭もあるが、記者の髪の毛は不思議によく伸びるので、
始終
(
しよつちゆう
)
理髪床
(
かみゆひどこ
)
の厄介にならなければならぬ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
取られちや生きてゐませんよ。三人の
中
(
うち
)
一人でも福岡の清の所へはやらないと
始終
(
しよつちゆう
)
さう云つてるんですもの。子供だつて祖母さん孝行だから棄てゝ行きやしますまいよ。
孫だち
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
▼ もっと見る
「でも姉さんは
一寸
(
ちつと
)
も
御変
(
おかはり
)
なさいませんがネ、私ツたら、カラ
最早
(
もう
)
仕様
(
しやう
)
が無いんですよ、芳子などに
始終
(
しよつちゆう
)
笑はれますの——何時の間に
斯
(
か
)
う年取つたかと、ほんとに驚いて仕舞ひますの」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
それからまたあなたにとつて人生といふものは
始終
(
しよつちゆう
)
變つてゐて大騷ぎしてなくちやならないのよ。でなきやこの世は牢屋ですからね。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『嘘なもんですか。
始終
(
しよつちゆう
)
那麽妙な咳をしてゐたぢやありませんか。……加藤さんが
然
(
そ
)
言つてるんですもの。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
著作家や牧師のやうな
始終
(
しよつちゆう
)
家
(
うち
)
ばかしに
燻
(
くすぶ
)
つてゐるのは一番の困り者で、出来る事なら
船乗
(
ふなのり
)
や海軍軍人のやうな月の半分か、一年の
何分
(
なにぶんの
)
一かを海の上で送つて
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そしてこの頃ぢあ、あの方とお妹さんとはお互に犬と猫の寄り合ひみたいでね、
始終
(
しよつちゆう
)
喧嘩ばかししてゐらつしやるのですよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その頃幕府の典薬に
始終
(
しよつちゆう
)
讃岐守の世話になつてゐる男があつて、お礼の印に何がな贈り度いと思つてゐた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
わけても源作叔父の事に就いては、
始終
(
しよつちゆう
)
心を痛めてゐたもので、酔はぬ顔を見る度、
何日
(
いつ
)
でも同じ様な
繰事
(
くりごと
)
を
列
(
なら
)
べては、フフンと叔父に鼻先であしらはれてゐた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『蝙蝠傘を
翳
(
さ
)
してるのになあ、
貴方
(
あんた
)
、それだのに此の禿頭から
始終
(
しよつちゆう
)
雫が落ちてくるのですものなあ。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「相馬君つて毎日どんなにして暮してるね。
始終
(
しよつちゆう
)
独語
(
ひとりごと
)
でも言つてるのかい、蟹のやうに。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
訝
(
をか
)
しい事には、此時お定の方が多く語つた事で、
阿婆摺
(
あばづれ
)
と謂はれた程のお八重は、
始終
(
しよつちゆう
)
受身に許りなつて
口寡
(
くちすくな
)
にのみ
應答
(
うけこたへ
)
してゐた。枕についたが、二人とも仲々眠られぬ。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
京都の西川一草亭氏は、相馬御風氏の論文を見て、こんなに
始終
(
しよつちゆう
)
人生の事ばかり考へて居ては、
嘸
(
さぞ
)
肩が凝つて溜るまいと、自分の
実弟
(
おとうと
)
で
予
(
かね
)
て相馬氏と
知合
(
しりあひ
)
の津田青楓に訊いてみた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(其処は私の室の前、玄関から続きの八畳間で、家中の人の
始終
(
しよつちゆう
)
通る室だが、真佐子は外に室がないので、其処の隅ツコに机や本箱を置いてゐた。)編物に倦きたといふ
態
(
ふう
)
で、片肘を机に突き
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ハア、
怎
(
ど
)
うも。…………それでゐて
恁
(
か
)
う、
始終
(
しよつちゆう
)
何か喰べて見たい様な気がしまして、
一日
(
いちんち
)
口案配が悪う御座いましてね。』とお柳も
披
(
はだか
)
つた襟を合せ、片寄せた煙草盆などを
医師
(
いしや
)
の前に直したりする。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
始終
(
しよつちゆう
)
怒られてゐたんですよ。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“始終”の意味
《形容動詞》
始終(しじゅう)
始めからから終わりまで、ずっと。
いつも。
(出典:Wiktionary)
始
常用漢字
小3
部首:⼥
8画
終
常用漢字
小3
部首:⽷
11画
“始終”で始まる語句
始終中
始終々々