姉婿あねむこ)” の例文
手代等は若檀那子之助の前途を気遣って、大坂町に書肆を開いている子之助の姉婿あねむこ摂津国屋伊三郎を迎えて、家督相続をさせようとした。
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのうちに、姉婿あねむこ木下弥助きのしたやすけも見え、小十郎も交じった。また、家臣の蜂須賀彦右衛門やら、誰彼も連なって、くがごとき盛宴となった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一本は朝鮮の統監府にる友人あてで、先達せんだって送ってくれた高麗焼こうらいやきの礼状である。一本は仏蘭西フランスに居る姉婿あねむこ宛で、タナグラの安いのを見付けてくれという依頼である。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お鳥の姉婿あねむこ、つまりお鳥の義兄が商用で長崎から大阪へ上り、いま川口の宿にいる。
一応田舎いなかのハルミの叔父おじ諒解りょうかいをも得なければならないことだというので、その青年を加えて、間もなく三人でハルミの郷里を訪れ、ハルミの叔父や姉婿あねむこなどにも立ち会ってもらって
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「かしたさ。お前の姉婿あねむこだった人だと思ったからさ。」
雑居家族 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
利章の姉婿あねむこで、當時睡鴎すゐあうと名告つてゐた黒田美作みまさくが邸と、其向側の評定所ひやうぢやうしよとへ引き上げさせた。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
一本は仏蘭西に居る姉婿あねむこ宛で、タナグラの安いのを見付みつけて呉れといふ依頼である。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
三好武蔵守一路かずみちは秀吉の姉婿あねむこである。この人なのでこうすすめもできるのだった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父の陰謀の情を知つてゐた彦右衛門とは遠島ゑんたう、安田と杉山を剃髪させた同人どうにんの伯父、河内かはち大蓮寺たいれんじの僧正方しやうはう、西村の逃亡を助けた同人の姉婿あねむこ、堺の医師寛輔くわんぽの二にんとは追放になつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
綱宗は家老一人を附けられて、そこに住んだ。当時姉婿あねむこ花忠茂がひそかつた手紙に、「御やしきうち忍びにて御ありきはくるしからぬ儀と存じ候」と云つて、丁寧ていねいに謹慎を勧めてゐる。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)