妙薬みょうやく)” の例文
旧字:妙藥
薬屋くすりやさん、いっさいの妙薬みょうやくなら、このすいかのきずがなおされるだろう。」と、おんなは、あざわらっていいました。
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこで今、伝馬町てんまちょうの薬屋で瘡毒そうどく一切いっさい妙薬みょうやくといふ赤膏薬あかこうやくを買つて来たのだが、そこで直ぐに貼つてしまへばいのに、極まりを悪がつて其儘そのままに持つてゐるのだ。
赤膏薬 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
太郎の妙薬みょうやくで病気も治ったらしく、晴れやかな気高い顔をしていました。側にチヨ子がついており、前からつきしたがっていた匪賊達が、後にひかえていました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
だがホーベスの負傷ふしょうは、急所の痛手いたでなので、この妙薬みょうやく効験こうけんはなかった。かれは自分でとうてい助からないと知り、眼をかすかに開いて、ケートの顔をしみじみとながめていった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「なにが無理むりか。おまえこそいいかげんなうそをいって、ひとをごまかそうとおもっているじゃないか。いっさいの妙薬みょうやくなら、このすいかのきずをなおしてごらん。」
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あつさあたりに、べあたり、いろいろな妙薬みょうやく」といって、あるきました。
薬売り (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひがしくにから薬売くすりうりが、「これは支那しな昆崙山こんろんざんにあった、不老不死ふろうふしくすりでございます。」といって、献上けんじょうしたので、おうさまはいままで、としをとりをおそれていられたのに、さいわ不思議ふしぎ妙薬みょうやく
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先祖代々せんぞだいだい家伝かでん、いっさいの妙薬みょうやく。」といって、あるいてきました。
初夏の不思議 (新字新仮名) / 小川未明(著)