かわっ)” の例文
旧字:
現在が過去に移りかわってこそ過去現在未来とも云ひ得るが「永遠に過去とならぬ現在」「現在とならぬ過去」はむしろ過去でなく現在でない。
意識と時間との関係 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
もとより自分で殿様なんて馬鹿気ばかげたことを考えるけもなければ、家内の者もその通りで、平生へいぜいと少しもかわった事はない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
なにかわった事は有りませんがッた今警察長がおみえに成り彼れに逢て帰たばかりですから目「それだけでく己の来たのが藻西に逢う為めだと分ッたな牢番 ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
乃至ないしはまた燐寸まっちの商標だとか、物はいろいろかわっていても、赤い色が見えるのは、いつでも変りがありません。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
カステラを焼いて白と黒と青のホンザーをかけて出しますと見た処も綺麗ですし、味も三色にかわっております。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その時に私は大に心付こころづきました、成程なるほど露西亜ロシア欧羅巴ヨーロッパの中で一種風俗のかわった国だとうが、ソレに違いない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
仮初かりそめにも自分の手に握れば、借りた金ももらった金も同じことで、あとの事は少しも思わず、義理も廉恥れんちもないその有様ありさまは、今の朝鮮人が金をむさぼると何にもかわったことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)